iCAREとオムロンが提携、健康経営の推進へ

株式会社iCAREとオムロン株式会社は、2024年7月2日に資本業務提携を開始したことを発表した。オムロンはiCAREの既存株主であるベンチャーキャピタルから株式の30%を取得し、iCAREの経営陣は株式を譲渡せず、継続保有する。また、提携を円滑に進めるため、オムロンよりiCAREに社外取締役1名を派遣する予定だ。

この提携の背景には、人口減少・少子高齢化による人材・働き手不足などの課題が深刻化する中、企業の持続的な成長のために従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」の重要性が高まっていることがある。健康経営は、自社の従業員の価値最大化を目指し、その基盤となる従業員の健康を保持・増進し、働きやすい職場環境を提供することで、人材確保や定着率向上にもつながるとされている。

提携を通じて両社は、オムロングループが保有する国内屈指のヘルスケアドメインのユーザーアセットと、iCAREが持つ産業保健領域でのデータとネットワークを活用し、幅広いデータを連携・分析することで健康経営領域でのソリューション事業を創出する。iCAREは「働くひとの健康を世界中に創る」をパーパスに掲げ、企業に眠る従業員の健康データを活用した健全な組織づくりを支援している。一方、オムロングループは、長期ビジョンSF2030で掲げる3つの社会的課題の解決に向け、グループ全体をモノづくりからデータを活用したソリューションビジネスに進化させている。

両社は、データに基づいた労働機会損失の可視化と組織の健康課題の特定、産業医や産業保健看護職による高度な組織コンサルティングと個人への介入を通じた適切なソリューションを届けるサービスの開発・提供に取り組む。これらを通じて、健康経営における経営層や管理職層の様々な意思決定を支援し、健康経営・健康投資を行う企業の裾野をさらに広げることを目指す。