MEDICAL FIG.と画家米増由香氏が学術誌Cell Metabolism表紙を制作
株式会社メディカルエデュケーションが運営する学術Figureデザインサービス「MEDICAL FIG.」は、画家・米増由香氏との協働により、2026年9月1日発行の国際学術誌『Cell Metabolism』(Cell Press)Volume 38, Issue 9(https://www.cell.com/issue/S1550-4131(25)X0010-3)の表紙を制作しました。原画には電熱ペンで木材を焼いて描くウッドバーニングという技法が用いられています。『Cell Metabolism』は代謝・内分泌研究分野の学術誌の一つで、基礎から臨床までの研究成果が掲載されています。
学術出版における制作の背景

画像制作への生成AIの普及が進むなか、研究成果を扱う学術出版では出版社による利用ルールの策定が進んでいます。Cell Pressでは、実験・観察データを示す画像に加え、カバーアートについてもAIの使用が研究そのものに不可欠である場合を除き、生成AIおよびAI支援ツールの使用を認めていません。画像生成AIが身近になった環境下においても、学術誌のカバーアートには人の手による制作が求められている領域があります。
論文の趣旨を物語へ置き換えたコンセプト
今回の表紙制作の対象となったのは、低温刺激で活性化した褐色脂肪が3-OHSA(3-ヒドロキシステアリン酸)という代謝物を血中へ放出し、離れた肝臓に作用して酸化ストレスを抑えることを示した論文です。褐色脂肪が熱を生み出すだけでなく、全身へ情報を発信する器官でもあることを示しています。

論文受理の段階から関与したMEDICAL FIG.は、研究者との打ち合わせで副産物や燃え残りかすと説明されていた3-OHSAについて、重要ではないと思われていた存在が実は重要な役割を担っていたという研究上の価値の転換と捉えました。これによりコンセプトを「Secret Messenger」に設定しました。米増由香氏はこれを受け、褐色脂肪細胞を家に見立て、開かれた扉から手紙を運ぶ鳥たちが飛び立つ世界として表現し、研究の意味を物語に置き換えています。
MEDICAL FIG.は完成した絵の設計図ではなく「Secret Messenger」というコンセプトを伝え、色彩や絵柄、構図、モチーフの細部は指定せず米増由香氏の表現に委ねました。米増由香氏は電熱ペンで木材を焼き、焦げの濃淡によって線と面をつくるウッドバーニングで原画を制作し、焼き上げた原画を取り込んでPC上で着色して仕上げを行いました。誌面のクレジットは「© Yuka Yonemasu / MEDICAL FIG.」となっています。
対象論文および企業概要
表紙の対象となった論文および発表元の概要は以下の通りです。
対象論文
- 論文名:Wang D, Li M, Lu T, et al. “Brown fat protects against hepatic oxidative stress by remodeling the circulating metabolome.” Cell Metabolism 38(9):1881–1895.e8, September 1, 2026.
- 責任著者:米代武司(東京大学先端科学技術研究センター/東北大学大学院医学系研究科)、Shingo Kajimura(ハーバード大学/ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター)
株式会社メディカルエデュケーション概要
- 所在地:東京都杉並区
- 代表取締役:落合隆志
- 事業内容:医療系出版社株式会社SCICUSグループ会社として、医学・生命科学・ヘルスケア分野を中心に研究者や専門家の思考整理や研究構造の支援を実施。医学論文専門のFigureデザインサービス「MEDICAL FIG.」を運営
本記事は株式会社メディカルエデュケーションの発表をもとに作成されています。

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