nitayなど3社、衛星データを用いた森林資源量推定の実証を北海道で開始
nitay株式会社、株式会社Archeda、SOC株式会社によるコンソーシアムは、北海道の令和8年度「宇宙関連産業振興事業(衛星データ利活用実証事業)」委託業務の受託者に選定され、2026年8月より実証を開始しました。
本実証では、衛星画像から森林の地上部バイオマス量(AGB:Above-Ground Biomass、樹木の幹・枝・葉など地上部に蓄積された乾燥重量)を推定する手法を構築します。人手による現地調査に依存してきた資源量(材積)の把握について、どの程度代替や効率化ができるかを検証します。
林業現場における人手不足と調査の負担が背景に
森林の適正な管理は木材生産を通じた地域経済の維持や自然資本の継承に重要ですが、担い手となる林業従事者は1985年の約12.6万人から2020年の約4.4万人へと、この35年でおよそ3分の1に減少しています。また、労働災害の発生率(年千人率)は令和5年時点で全産業の2.4に対し林業は22.8と、全産業平均の10倍程度に達しています。
林業の入口工程となる現地調査は現在も人手に頼る部分が多く、一部の区画で実測した値から全域の材積を推計する「標準地調査」が広く行われています。しかし、同じ林班内でも森林の状況が異なるため誤差が生じやすく、工数削減と精度の維持がトレードオフになる課題を抱えていました。これに対し、広域かつ高頻度、低コストで観測できる衛星データの活用が解決策として期待されています。
複数衛星データの比較と5段階のプロセスで実証
本業務は以下の5段階で進められます。
- 正解データの整備
- 衛星データの調達
- 解析・モデル構築
- 精度評価
- 効果検証
正解データは、北海道が公開する航空レーザー計測成果を土台とし、地上調査やドローン搭載のレーザー計測(UAV-LiDAR)で補完します。衛星データは、分解能の異なる光学衛星4種と、天候や昼夜を問わず観測できる合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)衛星2種を調達します。各光学衛星にSAR衛星を個別に組み合わせ、精度と調達コストの両面から比較検討します。
さらに技術的な推定精度だけでなく、現地調査コストの代替可能性や伐採候補地の絞り込みへの活用度など、林業現場に導入する際の経済合理性も評価する計画です。
森林管理ツールへの組み込みと全国展開を視野に
nitay、Archeda、SOCの3社は、本実証で確立するAGB推定手法をもとに、林業事業者や森林組合、自治体が継続利用できるサービスの開発を目指しています。林班単位の推定材積マップや収穫量が見込めるエリアの優先順位表示など、現場の意思決定に直結する形での提供や、森林クラウド管理ツールへの組み込みも検討されています。
今後は実証の知見をもとに道内の関係各所への展開を進め、地域特性に応じた検証を行いながら全国への展開を図る方針です。

幹事企業を務めるnitay株式会社は、リモートセンシング技術を活用した森林資源調査や林業支援ツールの開発などを手がけています。共同提案者の株式会社Archedaは衛星データを活用した森林管理ソリューション「森ノート」などを展開し、SOC株式会社は社会インフラシステム開発や宇宙企画部による衛星データ利活用実証に取り組んでいます。
各社の概要は以下の通りです。

- nitay株式会社
- 代表者:代表取締役 高橋 健太
- 所在地:北海道札幌市中央区南二条西5丁目31-1 RM Bld. 701
- 設立:2025年4月
- Website:https://www.nitay-inc.com/
- 株式会社Archeda
- 代表者:代表取締役 津村 洸匡
- 所在地:東京都千代田区
- Website:https://archeda.inc
- SOC株式会社
- 代表者:代表取締役社長 朝倉 由紀子
- 所在地:北海道札幌市
- 設立:1979年
- Website:https://www.socnet.jp
本記事はnitay株式会社の発表および北海道公表情報(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/kmc/266140.html)をもとに作成しました。
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