学校給食のない長期休みに深刻化する子どもの食生活
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが運営するフードバンク「グッドごはん」を利用するひとり親家庭を対象に、子どもの長期休み期間中における食生活についての調査を実施した。その結果、学校給食のある期間と比べ、1日2食以下の子どもの割合が長期休み期間中には約3倍へ増加するなど、十分な食事をとることが難しい状況に陥るひとり親家庭の実情が明らかとなった。
調査は2024年3月1日から10日にかけて、首都圏・近畿・九州の「グッドごはん」利用者のうち、学校給食がある子どもをもつ保護者2,158名を対象にオンラインで行われた。
学校給食のある期間中、子どもの1日の食事回数が「2回以下」と回答した割合は12.7%だったのに対し、長期休み期間中はその割合が42.9%と3倍以上に増加した。特に「1回」と回答した割合は、学校給食のある期間と比べ17倍以上にも上った。
その理由として、6割近くが「経済的に余裕がなく、家庭で十分な食事を用意することが難しいため」「時間に余裕がなく、家庭で十分な食事を用意することが難しいため」と回答。親が自身の食事を抑えても子どもに十分な食事を与えられない厳しい状況が浮き彫りになった。
また、長期休み中は栄養バランスの整った食事を用意できないことへの不安の声も多く寄せられた。学校給食のある期間と比べて食べる量が大幅に減るものとして、「魚」「野菜」が比較的高い割合で選択された。
グッドネーバーズ・ジャパンは、今般の物価高による家計のさらなる逼迫も懸念され、困窮家庭における子どもたちの食生活に大きな危機感を抱いている。すべての子どもが健やかに成長し、生きる権利を持っていることから、今の社会全体で子どもたちを育み見守ることが大切だと訴えている。