電通総研がESG企業動向調査を発表 開示率は7割超もデータ管理に課題
株式会社電通総研(東京都港区、代表取締役社長:岩本 浩久)は、国内企業500社を対象に実施した「2026年 ESG企業動向調査」を発表する。調査によると、ESGレポート等の作成・開示を行う企業は72.6%に達し、開示の実務が定着している実態が示された。一方で、情報管理ツールを導入している企業においても、表計算ソフトウエアを利用したシステム外作業が多く残るなど、データ管理における実務課題が浮き彫りになっている。
開示率は72.6%で定着、焦点は開示品質の向上へ
調査結果によると、役員層がESG責任者を担う企業は75.6%(最高責任者43.0%、役員兼務32.6%)となった。部課長クラスの責任者は前年比で上昇して23.0%となり、体制整備が進む一方で実務部門中心の運用も見られている。
また、ESGレポートの作成・情報開示状況については、2026年の開示率が72.6%となった。未開示を含むレポート作成率は94.0%に達し、未作成企業は6.0%にとどまった。企業の焦点は作成の有無から、制度適用を見据えた網羅性や正確性、監査・保証に対応できる品質の向上へ移行している。



ESG情報管理の方法として、ツールやシステムの利用は52.4%と半数を超えている。自社開発システム(49.8%)や業務パッケージへのアドオン開発対応(29.6%)との併用も進んでいるが、単一の仕組みで業務を完結できていない企業が多い。



ツール導入済みの企業であっても、データ収集・加工などの実務において「表計算ソフトウエアなどを使ったシステム外の作業が半分以上を占める」と回答した企業は64.7%(システム外作業が大部分を占める:22.2%、半分くらいある:42.5%)に上り、「ほとんどない」は9.9%にとどまった。システム外作業が発生する要因としては「拠点間のデータ形式・粒度の不統一」(49.0%)が最多で、「ツールの開示項目への対応不足」(38.5%)、「他システムとの連携不足による表計算ソフトウエア出力」(32.8%)が続いている。
SSBJ対応が進む企業でシステム導入加速、負担も顕在化


SSBJ(サステナビリティ基準委員会)への対応状況では、「開示対象か不明」(8.0%)や「非対象と判断」(23.0%)が上昇し、自社が将来的に開示対象となるか実質的な適用判断を行う動きがみられる。既存のレポート等でSSBJを意識した情報を先行開示している企業は10.2%となった。
開示レポート案作成や先行開示段階などSSBJ適用が進んでいる企業ほど専用ツールの導入率は高く(73.5%)、管理体制の成熟度が高い傾向にある。一方で、SSBJ対応における課題としては「開示情報の整理と網羅性の確保」(29.4%)のほか、「システム未構築」(26.2%)や「対応コストの負担が大きい」(26.2%)、「現在作成している統合報告書(サステナビリティ報告書)や他の開示基準との整合性をとることが難しい」(20.1%)などが挙げられている。
調査概要
- 調査名: 2026年 ESG企業動向調査
- 調査期間: 2026年5月29日(金)~6月2日(火)
- 調査対象: 年商500億円以上の企業勤務者、係長・主任職相当以上の役職者、社内のESG取り組み状況を把握しており、関連業務に関与している者の条件をすべて満たす国内企業の役職者
- 調査方法: 電通総研マーケティング部門によるWebアンケート
- 有効回答数: 500社
本記事は株式会社電通総研の発表をもとに作成されています。
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