薩摩川内市がカーボンニュートラルへ包括連携

株式会社バイウィルは、鹿児島県薩摩川内市および株式会社鹿児島銀行と、カーボンニュートラルの実現を目的とした包括連携協定を2024年6月19日に締結した。3者は協定に基づき、SDGsおよびカーボンニュートラルの達成、サーキュラーエコノミーの普及啓発・達成に向けた取り組みを進める。

バイウィルは第一に、薩摩川内市が管理する森林におけるJ-クレジット創出を支援する予定だ。J-クレジットとは、省エネ設備の導入や再生エネルギーの活用等による温室効果ガスの排出削減量や吸収量を国が認証したもので、他企業等に売却してカーボン・オフセットに活用できる。

薩摩川内市は2021年6月、2050年までに「ゼロカーボンシティ薩摩川内」を実現すべく「薩摩川内市未来創生SDGs・カーボンニュートラル宣言」を行った。その対策の一つとして「カーボン・オフセット制度の普及促進」を掲げており、今回の包括連携協定に至った。

薩摩川内市の森林面積は市の土地の69%を占め、2020年度のCO2吸収量は147,000t-CO2と推定され、同年度の市の温室効果ガス排出量の22%に相当する。バイウィルは適切な森林管理によってこの吸収量を維持し、J-クレジットに換えて市のカーボンニュートラル達成に活用すべく支援する。

具体的には、J-クレジット創出プロジェクトの登録・申請からモニタリング、創出したクレジットの販売までをシームレスに支援し、新たなビジネスモデルの開発など地域経済の活性化にも貢献することで、薩摩川内市における”環境価値と経済価値の循環”を目指す。

バイウィル代表取締役社長の下村雄一郎氏は、「薩摩川内市は『山』『川』『海』と自然溢れる地であるとともに、多くの産業を有する市でもある。そんな薩摩川内市の広大な森林を守る取り組みの付加価値として、CO2吸収量のJクレジット化から連携させていただく」とコメントした。

今回の連携協定は、バイウィルにとって鹿児島県下で初の事例となる。下村氏は「この連携協定をもとに、『鹿児島県は自治体と銀行が強力に手を結んだ脱炭素モデル地域である』と県内外の方々に捉えていただけるよう取り組みを進めてまいります」と述べた。