ZOZO研究所の推薦システム論文、国際会議ACM RecSys 2026に採択
株式会社ZOZO NEXTの研究開発組織「ZOZO研究所」の研究員を含む研究グループが執筆した論文が、推薦システム分野の国際会議「ACM RecSys 2026」のMain Track(Long papers)に採択された。論文では、ユーザーの好みの幅を考慮しながら不確かな情報を適切に扱う新たな推薦手法「GateBoxGCN」を提案している。
好みの曖昧さと信頼度の課題に対応する新手法「GateBoxGCN」
ファッションECにおける推薦システムでは、ユーザーの好みを予測する精度の向上が求められている。従来の推薦システムでは好みや商品の特徴をベクトル空間上の1つの点で表現することが多かったが、近年では好みの幅や曖昧さを表現するために範囲(箱)として捉える手法が注目されている。しかし、購買履歴が少ない場合などに信頼度の低い情報に基づいて好みの範囲を設定してしまい、推薦精度が低下するという課題があった。
本論文で提案された「GateBoxGCN」は、ユーザーの好みと商品の特徴をベクトル空間上の箱として表現し、箱同士の重なり具合によって相性を判断する手法である。
2種類のゲート機能とGCN活用で推薦性能が最大35.56%向上
本手法では、不確かな好みを無理に推定しないためのゲート機構を取り入れている。商品のおすすめ度合いを計算する際には「ハードゲート」を用いて信頼度の低いベクトルの次元を除外し、学習時には「ソフトゲート」を用いて除外された次元の値や幅を更新する。これにより、学習を通じて信頼度が高まった情報を段階的に推薦計算へ利用できるようにしている。
さらに、ユーザーと商品のつながりから情報を収集するグラフ畳み込みネットワーク(GCN)を活用し、似た好みを持つ他ユーザーや関連商品の情報も反映させる仕組みを備える。推薦システムの評価に用いられる4種類のデータセットを用いた実験において、既存手法と比較して推薦性能が5.76%〜35.56%向上することが確認された。
本研究成果は、ZOZOTOWNなどのファッションECにおいて、信頼度の低い情報を除外しながらより的確な商品推薦を行う技術への応用が期待されている。ZOZO研究所は、個人の好みを的確に捉える技術の研究を通じて、買い物体験の向上を目指すとしている。
採択論文およびZOZO研究所の概要
採択された論文の概要は以下の通りである。
- 論文タイトル:GateBoxGCN: Hard-Soft Gated Box Embeddings with Graph Convolution for Recommendation(邦題:GateBoxGCN:グラフ畳み込みとハード・ソフトゲートを用いた推薦向けボックス埋め込み手法)
- 著者:Fan Mo(ZOZO NEXT・早稲田大学)、Takashi Wada(ZOZO NEXT)、Rongqin Chen(マカオ大学)、Chongxian Chen(早稲田大学)、Xin Fan(早稲田大学)、Tianwei Chen(ZOZO NEXT)、Hayato Yamana(早稲田大学)
ZOZO研究所の概要は以下の通りである。
- 所名:ZOZO研究所(ZOZO Research)
- 設立:2018年1月31日
- 運営:株式会社ZOZO NEXT(本社:千葉県千葉市、代表取締役CEO:澤田宏太郎)
- URL:https://research.zozo.com/
本記事は株式会社ZOZO NEXTの発表をもとに作成。
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