Dellows News

日立、重要業務へのAIエージェント適用を支援するAI品質維持サイクル技術を開発

株式会社日立製作所は、社会インフラや産業分野など、停止や誤判断の影響が大きい重要業務へのAIエージェント適用を支援する「AI品質維持サイクル」技術を開発しました。業務手順や運用条件に即してAIに任せる範囲を設計し、実行内容の妥当性検証や運用結果の評価・改善を一体で行う仕組みを提供します。業務の継続性に配慮しながら安全性を確保し、AIエージェントの適用範囲を継続的に適正化することを目指します。

重要業務におけるAIエージェント適用の課題

労働力不足や業務の複雑化を背景に、AIエージェントを活用して現場業務の実行や判断を支援する期待が高まっています。特に社会インフラや産業分野では、熟練者の知見を生かした安定運用の維持が求められています。

一方で、停止や誤判断の影響が大きい業務においては、AIモデルの性能評価だけでは適用可否の判断が難しく、業務手順や運用条件、人とAIの役割分担を踏まえた適用範囲の設定が必要とされていました。また、実運用で得られた結果を継続的な改善に反映する仕組みが十分でないことも、AI活用の拡大に向けた課題となっていました。

開発されたAI品質維持サイクル技術の主な特徴

日立が開発した技術は、業務運用の観点からAIに任せる条件を定め、実行内容の妥当性確認と運用結果の評価・改善を一体で支援します。主な特徴は以下の3点です。

  • 業務観点での品質評価:AIエージェントの出力精度に加え、業務手順や証跡、運用ログ、後続業務への影響、責任分担などの観点から業務範囲や利用条件を定義します。これにより、リスクを踏まえた妥当性評価と判断根拠の説明を可能にします。
  • 実行時の制御による制約遵守:システムや外部ツールを利用する際、業務手順に沿っているかを実行前に検証します。リスクに応じて利用者への確認、実行内容の見直し、停止などを段階的に行い、手順遵守と業務継続性の両立を支援します。
  • OTとITの知見を融合した運用改善:OT現場の業務手順や設備・保守に関する知見と、IT基盤上の運用管理技術を組み合わせ、品質設計から実行時制御、知識蓄積、改善までを一体的に支援します。実運用の知見を活用し、任せる範囲を継続的に見直します。

今後の展開

日立は今後、設備保守やIT運用などのユースケースを通じて本技術の検証を進め、業務ごとに求められる品質指標や運用条件の具体化を図る方針です。

将来的には、AIエージェントの運用管理を支援するエンタープライズ向けプラットフォーム「HMAX AI Operations」の一部としての機能提供を見据え、次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」においてAIに任せられる業務範囲を段階的に拡大する基盤技術として発展させていくとしています。なお、本成果の一部は、2026年7月に開催された「IEEE World Congress on Services」にて発表されました。

本記事は株式会社日立製作所の発表をもとに作成しました。

アクセスランキング

今日

1週間