アットアロマなど、樹木精油が人の心理や生理へ与える影響を共同研究
アットアロマ株式会社は、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所およびA Green株式会社と共同で、樹木精油が人の心理や生理へ与える影響に関する共同研究を実施しました。
オフィスや生活空間でのアロマ活用が広がる中、樹種ごとの香り成分や人への影響を科学的に比較・検証し、オフィス空間における活用の可能性を調べました。
国内外10種の樹木精油を対象に多面的な評価を実施
共同研究では、採取部位や産地の異なる国内外10種類の樹木精油を選定し、印象評価、脳波測定、香り成分分析を組み合わせた評価を行いました。対象となった精油は、ヒバ(石川県能登産)、トドマツ(北海道産)、スギ(九州産)、ホワイトサイプレス(オーストラリア産)、クロモジ(長野県産)、ヒノキ(奈良県産)、コウヤマキ(奈良県・和歌山県産)、ユーカリ(中国産)、ヒノキリーフ(長野県産)、ホーウッド(中国産)の10種類です。
実験はオフィス環境で実施され、参加者が脳波計を装着した状態で各精油の香りを約1分間嗅いだ際の脳波を測定したほか、香りの印象に関するアンケート調査を行いました。
印象評価ではヒノキやホワイトサイプレスが上位に
企業5社の42名を対象にした印象評価において、各樹木精油を「好き」から「嫌い」までの10段階で評価した結果、好まれる香りの順位は1位がヒノキ、2位がホワイトサイプレス、3位がヒバ、4位がスギ、5位がホーウッドとなりました。全体として、穏やかな印象を持つ香りや、個性が強すぎない香りが好まれる傾向が示されました。

また、印象評価の結果を因子分析したところ、香りの特徴は「穏やかさ」「豊かさ」「個性」の3つの軸に整理されました。スギは「穏やかさ」、クロモジは「個性」が際立ち、ヒバは「穏やかさ」と「豊かさ」の両方が高い傾向を示したほか、ホーウッドは3つの印象軸すべてで高い傾向が見られました。
脳波データと香り成分分析による検証
集中状態の指標の一つである脳波のβ/α値を比較した測定では、10種のうち9種の樹木精油で値が1.0以上となりました。印象評価で好まれる傾向が見られたヒノキ、ホワイトサイプレス、ヒバにおいても、β/α値が比較的高い結果が得られています。なお、脳波データの解析対象は14名であったことから、本結果は参考データとして位置付けられており、今後は測定環境の統制や解析対象数の拡充を図る予定です。
香り成分の分析では、モノテルペン類を主体とする精油とセスキテルペン類を特徴とする精油が確認されました。共通する成分を含む場合でも、成分の種類や含有比率の違いによって印象評価の結果に違いが生じており、香りの個性は樹種だけでなく成分構成によっても形成されていることが示唆されました。
今後の展開と共同研究体制
アットアロマは、今回の研究成果をオフィスや商業施設、宿泊施設などの空間における香り設計や、天然樹木精油を活用した商品・サービス開発に活かす方針です。なお、本研究成果は森林総合研究所の研究者らにより、令和8年度 第39回におい・かおり環境学会においてポスター発表が行われました。
共同研究に参画した各者の役割は以下の通りです。
- 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所:香り成分分析やデータ解析を担当し、人へ与える影響について科学的評価を実施
- A Green株式会社:樹木精油の提供や専門的知見をもとに参画
- アットアロマ株式会社:アロマ空間デザインやブランディングの知見をもとに参画
本記事はアットアロマ株式会社の発表をもとに作成しました。
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