フィリップ・パレーノ展、ポーラ美術館で開幕

ポーラ美術館では、2024年12月1日まで「フィリップ・パレーノ:この場所、あの空」展を開催中だ。フィリップ・パレーノは現代フランス美術を代表するアーティストの一人で、映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど多岐にわたる作品を制作している。今回の展覧会は、国内最大規模のパレーノの個展となる。

展示風景

展示では、代表作である映像作品《マリリン》(2012年)をはじめ、初期作品から初公開のインスタレーションまで、パレーノの幅広い実践を多面的に紹介する。主な展示作品には、《ヘリオトロープ》(2023/2024年)、《ふきだし(ブロンズ)》(2024年・新作)、《どの時も、2024》(2024年・新作)、《幸せな結末》(2014-2015年)、《ホタル》(2024年・新作)などがある。

《ふきだし(ブロンズ)》2024年 ※新作 Courtesy of the artist
《どの時も、2024》 2024年 ※新作 Courtesy of the artist

パレーノは1964年にアルジェリアのオランで生まれ、現在はパリを拠点に活動している。1980年代末以降、先進的なテクノロジーを積極的に作品に採り入れながら、さまざまなアーティスト、建築家、音楽家との協働を行ってきた。映画『ジダン 神が愛した男』(ダグラス・ゴードンとの共同監督、2006年)や、日本のアニメ・キャラクター「アン・リー」の作品などでも知られている。

フィリップ・パレーノ/ Philippe Parreno

展覧会に合わせて、作家自身の撮影による写真を含む、パレーノの作品や展示風景、作家の身近な光景などをプリントしたオリジナルTシャツ(全11種)が発売される。

ポーラ美術館は2002年に神奈川県箱根町に開館し、「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催している。同時に、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も収集・展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。