WorkdayがAI研究チームを発足 エージェント記憶や連携の研究成果を公開
人事、財務、IT向けのAIプラットフォームを提供するWorkdayは、米国時間2026年8月19日、エンタープライズAIの信頼性や効率性の向上を目指す専門研究チーム「Workday AI Research」を発足したと発表しました。
あわせて同チームによる最新の研究成果が公開されたほか、次世代の研究者を育成するための博士課程学生向け支援プログラムの開始も明らかにされました。
発足したWorkday AI Researchは、企業が導入するエンタープライズAIにおける信頼性、信用性、効率性の向上に取り組む研究チームです。研究成果はWorkdayのAI開発に活用されるほか、より広いAI研究コミュニティへ新たな知見や評価手法として還元される方針です。
同社の研究者はこれまで、AIエージェントの長期記憶や説明可能性、マルチエージェントの連携制御(オーケストレーション)、報酬の過剰最適化、レコメンデーションシステム、適応型リソース制御などを研究してきました。成果の一部は、ICMLやICLR、ACM Web Conference、ACLなどの機械学習分野の国際会議に採択されています。
Workdayの製品・テクノロジー担当プレジデントであるゲリット・カズマイヤ氏は、AIエージェントが従業員に代わって行動する中で生じる課題は既存の汎用モデルだけでは解決できないとし、同研究チームを通じて企業が大規模に導入できるAIシステムの構築に必要な科学的知見を提供していくとしています。
記憶の選択性やエージェント連携に関する最新成果を公開
公開された最新の研究成果では、企業がAIを活用する際の具体的な技術的課題について検証が行われました。
- 必要な情報のみを選択して記憶する方式
AIエージェントが有用な情報を保持しつつ、古い情報や重複・低信頼の情報を除外するメモリ方式を開発しました。検証では従来手法に比べ精度が12%向上し、メモリ品質が約8%改善したほか、重要情報の97%を保持しながら主要な比較対象手法と比べて約31%高速な処理が確認されました。
- 複数エージェントの連携による意思決定
業務を専門性の異なる複数のAIエージェントに分担させる検証では、選択肢の検討、ルール準拠の確認、全体統括を別々のエージェントが担当しました。その結果、精度が5.8%向上し、最終的な回答はすべて研究で定めた制約条件を満たしました。
- 指示によるメモリ削除(忘却)の検証
AIエージェントに特定の情報を忘れるよう指示した場合、約5回に1回の割合で過去の要約から情報が復元可能な状態で残ることが判明しました。完全な消去には、元の記録だけでなく情報に言及しているすべての要約も削除する必要があることが示されています。
次世代研究者を支援するフェローシップも開始
Workdayは学術コミュニティとの連携強化に向け、「Workday AI Research PhD Fellowship」を開始します。
AIとエンタープライズソフトウェア領域の研究に取り組む博士課程の学生を対象とし、採択者には所属大学への使途を限定しない研究資金として年間5万ドルを提供するほか、Workdayの研究者によるメンタリングや共同研究、キャリア機会への早期アクセスを提供します。
Workdayの概要
- サービス内容:人事、財務、IT領域を中心としたエンタープライズ向けAIプラットフォームの提供
- 利用実績:世界で11,500社を超える企業が利用(Fortune 500選出企業の65%超を含む)
本記事はWorkdayの発表をもとに作成。
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