服部報公会、報公賞に京大の木本恒暢教授を選定 SiCパワー半導体の実用化研究で
公益財団法人服部報公会は、工学に関する優秀な研究成果を挙げた研究者を顕彰する令和8年度「報公賞」に、京都大学大学院工学研究科の木本恒暢教授を選定した。対象となった研究業績は「SiCパワー半導体の先駆的研究と実用化による機器の省電力化」である。贈呈式は10月9日に開催される予定となっている。
SiCパワー半導体の基盤技術確立と実用化に貢献
炭化ケイ素(SiC)は高耐圧・高効率動作を実現する次世代パワー半導体材料として期待されていたものの、実用化に向けては材料品質やデバイス性能における多くの技術的課題が存在していた。
木本教授は、現在主流となっている4H-SiC材料の優位性の実証や高品質エピタキシャル成長技術の確立、結晶欠陥や界面特性の解明と改善など、材料からプロセス、デバイスに至る基盤技術を体系的に確立した。さらに、高耐圧・低損失のショットキーダイオードやMOSトランジスタを開発し、実用化を前進させた。これらの成果は、電気自動車(EV)やハイブリッド車、鉄道車両、再生可能エネルギー設備、データセンターなど幅広い分野の省エネルギー化を支えている。
10月9日に贈呈式を開催、援助金や新設賞も授与予定
報公賞の贈呈式は10月9日に開催予定で、受賞者には賞状と賞金1,000万円が贈呈される。
また当日は、同時に以下の援助金および賞の贈呈も行われる予定となっている。
- 工学研究奨励援助金:16件の研究に対し総額1,600万円
- 報公奨励賞(本年新設):1件に対し100万円
報公賞は1931年の第1回目から2025年までに通算120件(137名)へ贈呈されており、工学研究奨励援助金はこれまで3,051件に贈呈されてきた。
公益財団法人服部報公会について
服部報公会は、1930年に株式会社服部時計店(現・セイコーグループ株式会社)の創業者である初代社長の服部金太郎氏が私財を投じて設立した公益事業団体である。同会は佐藤知正氏が理事長を務めており、広く工学の進歩に貢献する研究を対象とした公募事業などを展開している。
本記事は公益財団法人服部報公会の発表をもとに作成。
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