Q-STARとBeyont、量子プロフェッショナル標準ver.1.0を公開
一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)と株式会社Beyontは、量子技術の研究開発や社会実装、事業化を担う専門人材の共通言語となる「量子プロフェッショナル標準(QSS-P)ver.1.0」を策定し、公開しました。
本標準は、量子技術の社会実装を担う専門人材を対象に、人材類型やロール、スキルレベルを体系的に整理したものです。両者は産学官の共通言語として活用を促し、量子人材エコシステムの形成加速を目指します。
策定の背景
政府の「量子未来社会ビジョン」では、2030年までに国内の量子技術利用者1,000万人、量子技術による生産額50兆円規模の実現が目標に掲げられています。量子技術は経済安全保障や産業競争力の強化、社会課題の解決に貢献する基盤技術として期待される一方、社会実装を担う専門人材の育成が不可欠とされています。
しかし、量子分野は技術の進展が速く、求められる人材像や役割について産学官で共通認識を形成していくことが課題となっていました。こうした状況を受け、2026年2月に公開された「量子リテラシー標準(QSS-L)」に続き、専門人材を対象としたQSS-Pが策定されました。
なお、本標準は内閣府が推進する「研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」の施策「量子人材教育エコシステムの開発と試行」の一環として、Beyont、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(IMI)、Q-STARの連携のもとで策定されています。
量子プロフェッショナル標準の特徴と体系
QSS-Pは固定的な職種や肩書きではなく、社会実装において担う役割(ロール)として人材を整理している点が特徴です。資格制度や人材評価を目的としたものではなく、人材育成や採用、配置、協業設計の参照枠としての活用が想定されています。

専門人材は以下の3つの類型に整理され、計14のロールが定義されています。
- 量子ハードウェアエンジニア
- 量子ソフトウェアエンジニア
- 量子ビジネスストラテジスト
各ロールには、ITスキル標準(ITSS)などを参考に自律性と判断責任の範囲に基づく4段階のスキルレベルが設定されています。
今後の展開とシンポジウムでの解説
Q-STARとBeyontは、技術の進展や産業界・教育界からのフィードバックを踏まえ、本標準を継続的に更新していく方針です。
また、2026年9月4日に開催される公開シンポジウムの「SIP3量子・BRIDGE イノベーション創出基盤関連施策 成果報告」において、株式会社Beyontの小縣信也CTOが本標準の解説を行う予定です。
発表組織の概要
Q-STAR(東京都新宿区、代表理事:島田太郎)は、量子技術を活用した新産業創出を目指す企業により2021年9月に設立された協議会です。設立時の24法人から現在は160法人へ拡大しています。
株式会社Beyont(東京都千代田区、代表取締役社長兼CEO:田原眞一)は2018年設立の企業で、AI、GX、量子などの先端領域における人材と組織の変革支援事業を展開しています。
本記事は一般社団法人量子技術による新産業創出協議会および株式会社Beyontの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



