キヤノンは、EF/RFシネマレンズ「CINE-SERVO レンズ」シリーズの新製品として、RFマウントを採用した”CN7×17 KAS T/R1″とPLマウントを採用した”CN7×17 KAS T/P1″を2024年10月上旬に発売する。これらのレンズは、従来製品「CN7x17 KAS S」（2014年8月発売）から4K・8Kカメラ対応の高い光学性能などの特長を継承しつつ、各マウントによる通信機能を拡充し、新デジタルドライブユニット「e-Xs V」を搭載することで運用性と機能性が向上している。

“CN7×17 KAS T/R1″は、RFマウントの通信プロトコルに対応し、キヤノンのデジタルシネマカメラ「EOS C400」（2024年9月上旬発売予定）、「EOS C70」（2020年11月発売）、「EOS R5 C」（2022年3月発売）と組み合わせることで、倍率色収差補正・周辺光量補正・デュアルピクセルフォーカスガイドがカメラ側で行えるほか、新たに歪曲収差補正にも対応する。また、バーチャルプロダクションに適したレンズメタデータが新たに出力可能となり、「EOS C400」と組み合わせることで、リアルタイムおよびポストプロダクションにおいて高精度なCG合成処理をサポートする。

新デジタルドライブユニット「e-Xs V」の搭載により、フォーカスとアイリスの高速化、フォーカスブリージング補正機能、USBメモリーからのレンズ設定データの読み取り／書き込みや、ユーザー自身によるファームウエアの更新が可能になった。また、デジタルドライブユニットを活用してサーボ操作を行う放送スタイルでの運用だけでなく、フルマニュアルでの操作を主としたシネマスタイル撮影にも適した機能やデザインを備えている。

さらに、放送用カメラシステムの通信規格である「12pinシリアル通信」と、”CN7×17 KAS T/P1″では映像制作業界で広く採用されているCooke社の「/i Technology」に加えて、ZEISS社の「eXtended Data」に対応し、撮影時のさまざまなレンズ情報をマウント経由でリアルタイムに外部出力できることで、撮影および編集の効率化を図る。

これらの新製品は、スポーツなどのライブ中継や映画などの映像制作におけるリモート撮影やバーチャルプロダクションといった撮影手法の拡がりや、ワークフローの効率化など多様なニーズに応えるものとなっている。