ILI 広告表現の審査を支援するAIサービス Ethical Lensを公開
株式会社ILIは、広告表現の審査を支援するAIサービス「Ethical Lens(エシカルレンズ)」を公開した。同サービスは、役割の異なる7つのAI視点レンズを用いて広告表現を同時に検討し、懸念される論点やその根拠、改善の方向性を提示する。広告の掲載可否をAIが自動確定するのではなく、最終判断を人間が行う仕組みとすることで、審査プロセスの支援と組織内の知見蓄積を図る。
広告審査における属人化と判断のばらつきに対応
広告審査の実務では、担当者による判断のばらつきや炎上リスクの予測の難しさ、明確な基準の設定といった課題が存在する。また、汎用的な生成AIを活用する場合でも、判定の変動や判断根拠の欠落、担当者の持つ暗黙知が継承されないといった点が課題となっていた。



Ethical Lensは、広告審査の論点と人間の判断過程を記録することで、組織固有の審査基準を蓄積し、説明責任を果たせる体制づくりを支援する。

7つの視点レンズで広告リスクを多角的に分析
同サービスでは、1つのAIですべての項目を処理するのではなく、独立した7つの視点レンズが同一の広告を別々の立場から検討する。
分析に用いられる7つの視点レンズは以下の通り。
- 言葉づかい視点
- 記憶配慮視点
- 受け手視点
- 誤認防止視点
- 公共性視点
- 安全快適視点
- 広告の並び視点
広告画像やコピー、掲出場所、掲出時期、社内ガイドラインなどを入力すると、7つの視点が同時にレビューを実施する。出力される情報には、懸念スコアや指摘対象箇所、審査担当者が確認すべきポイント、指摘の根拠、改善の方向性、議論すべき論点が含まれる。最終判断や修正内容を記録することで、組織独自の基準を継続的に蓄積できる。
想定される活用領域と開発の背景
本サービスは、判断の一貫性向上や審査時間の短縮、炎上リスクの事前検知などを目的としており、以下のような領域での活用が想定されている。

- 交通広告や駅空間における公共性・安全性を踏まえた広告審査
- 外資系企業による英語コピーの日本語ローカライズ時のリスク検討
- 広告代理店や制作会社によるクライアント提案前の社内レビュー
- 企業広報やプレスリリースの公開前における炎上予防
開発は、電通での広告実務経験と国立情報学研究所でのAI研究実績を持つ株式会社ILI取締役の岡崎孝太郎氏が主導した。AIに掲載判断を委ねるのではなく、AIを活用して人間の判断力を高める「Human in the Loop」を基本思想としている。

Ethical Lensの概要
- サービス名:Ethical Lens(エシカルレンズ)
- サービス区分:広告審査支援AIサービス
- 主な機能:複数視点による同時レビュー、懸念箇所の抽出、判断根拠の説明、改善方向の提示、社内ガイドライン等との照合、判断過程の記録、審査知の蓄積
- 対象:交通媒体社、広告主、広告代理店、制作会社、外資系企業、企業広報・PR部門、ブランド管理部門、法務・コンプライアンス部門など
- 注意事項:法的判断や広告掲載の可否を自動的に確定するものではなく、最終判断は利用企業の担当者が行う
本記事は株式会社ILIの発表をもとに作成。
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