日本人起業家がケニアでゾウと人の共生目指す新会社設立

株式会社ボーダレス・ジャパンは2024年5月31日、同社のフェロー米田耕太郎氏がケニア共和国にて野生動物と人間の軋轢を解決する養蜂事業に取り組む新会社「Co-Exist Wildlife Ltd.」を設立したと発表した。

Co-Exist Wildlifeは、環境保全と社会経済の両立を目指し、人と野生動物、特にゾウとの軋轢をビジネスを通して解決することを目的としている。ケニアでは多くの農家がゾウによる農作物被害に悩まされており、それによる収入減少や人的被害が発生している一方で、危害を加えるゾウが地域住民によって年間50頭から120頭ほど射殺され、個体数が減少しているという。

同社はハチを苦手とするゾウの習性を利用し、養蜂箱をフェンス状に設置することでゾウの侵入を防ぎつつ、ハチミツやハチ毒を生産・販売することで農家の収入安定とゾウの個体数増加を図る。これにより農作物被害の減少と副産物販売による収入増加が見込め、地域住民によるゾウへの攻撃も減少すると期待されている。

Co-Exist Wildlifeの代表である米田耕太郎氏(右端)

Co-Exist Wildlifeは地域住民と共に取り組む「住民参加型」のビジネスモデルを採用し、一時的な支援ではなく持続可能な課題解決を目指す。代表の米田氏は「5年以内にケニア国内での養蜂箱フェンス実装を終え、他のアフリカ・アジア諸国にも事業を広めることを目標に、日々努力してまいります」とコメントしている。

ゾウと人間の対立はケニアだけでなくアフリカ・アジア各地で問題となっており、Co-Exist Wildlifeの取り組みは、こうした地域の社会課題解決と持続可能な発展に貢献することが期待される。