レゾナック・丸紅、バイオマス製品で協業

レゾナックと丸紅が、フィンランドのバイオマス燃料製造会社であるNeste Corporationと協業し、レゾナック大分コンビナートにおけるバイオマス原料由来のエチレンやプロピレンなどの製品製造に向けた取り組みを開始する。この協業は、カーボンニュートラル化に向けて国内外で高まっているバイオマス製品の需要に応えるもので、2024年6月よりバイオマス原料の使用を開始する予定だ。

協業では、Nesteが製造したバイオマス原料「Neste RE」を、レゾナックがエチレンプラントを有する大分コンビナートに供給する。Neste REは、使用済み植物油や残渣油など再生可能な原材料から製造される。大分コンビナートは多様な原料を使用する能力があることが特徴で、これまで石油由来原料を使用していたが、原料の一部をバイオマス原料に置き換えることで、温室効果ガスの排出量削減に貢献する。

レゾナック、丸紅、Nesteの3社はそれぞれISCC PLUS認証を取得している。ISCC PLUS認証制度とは、バイオマスや再生可能原料、製品などについて持続可能性が保たれ、サプライチェーン全体で適切に管理されているかを担保する国際的な認証制度である。本制度に基づくマスバランス方式を用いて、レゾナックとNesteはバイオマス認証を付与した製品を製造・販売し、丸紅は本協業のサプライチェーン構築における物流マネジメントを担う。マスバランス方式とは、バイオマスや再生可能原料といった持続可能原料と非持続可能原料を混合して製品を製造した際に、投入した持続可能原料の投入量割合に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法だ。

レゾナックは、2050年カーボンニュートラル化に向けて、2030年の温室効果ガス排出量削減目標を2013年比30%削減と設定している。今後も、カーボンニュートラル化に向けてあらゆる選択肢を検討し、2050年カーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指す。丸紅は、バイオマス原料由来の持続可能な航空燃料(SAF)や船舶用バイオ燃料等の再生可能原料由来燃料の取り扱いも開始しており、石油・石油化学産業のバリューチェーンにおけるカーボンニュートラル化に貢献していく方針だ。