StripeがAI取引データを分析 日本は支出額・支出比率ともに上位に
決済インフラを提供するStripeは、同社のプロダクトを利用するAI企業の取引データを分析したグローバルなAIエコノミーに関する調査結果を発表しました。売上上位100社のAI企業は事業開始から3年目で平均120カ国へ進出しており、総売上の48%を海外市場から獲得している実態が明らかになりました。また、日本はAI支出の絶対額とオンライン支出に占める比率の双方が高い市場として上位に位置づけられています。
AI支出の絶対額と比率で日本や韓国が上位市場に
Stripeのデータによると、米Forbes誌の「Forbes AI 50」(2026年版)選出企業の88%を含む数千社のAI企業が同社の決済基盤を利用しています。Stripe上でのAI支出額の大きさは各国のGDPの高さと概ね連動していますが、総決済金額に対するAI支出の割合を分析すると異なる傾向も見られます。
Stripe全体の支出に占めるAI支出の比率が高い国としては、インド、メキシコ、ポーランド、アラブ首長国連邦が上位に挙がりました。さらに、日本、韓国、ブラジルの3カ国は、AI支出の絶対額が大きいだけでなく、他のオンライン支出と比較したAI支出の割合も高い市場となっています。
成熟市場と新興市場の双方が高水準の成長を記録
2024年時点で2,000万ドル以上のAI支出があった35カ国を対象とした分析では、前年比成長率の中央値は約100%に達しました。成熟市場においても成長は続いており、前年比の伸び率は米国が91%、オーストラリアが61%、英国、カナダ、ドイツなども高い成長率を維持しています。
中でも韓国は、市場規模の大きさ、前年比134%の成長率、AI支出比率の高さの3要素を兼ね備えています。背景には、2026年の「AI基本法」などの国家政策や政府によるスタートアップ支援、AIに対する国民の受容性などが複合的に作用していると考えられています。また、国別の前年比成長率で最も高かったのはメキシコの264%でした。

世界的な需要拡大を背景に急速な成長を遂げる企業も登場しています。AIエージェントプラットフォームのManusは、サービス開始から1カ月後に200以上の国・地域で決済受付を開始し、その4カ月後には年換算売上高9,000万ドル(約140億円)を達成しました。
持続的な収益基盤の確立には、進出先に応じたローカライズが重要とされています。Stripe上で急成長しているAI企業群は、他の企業と比べて平均で2倍の現地決済手段を導入しています。過去の分析データでは、適切な現地決済手段の提示によりコンバージョン率が平均7.4%向上し、売上が平均12%増加することが実証されています。

導入事例として、AIデザインプラットフォームのGammaはインドのリアルタイム決済「UPI」の導入により同国内の売上が22%増加しました。また、現地通貨に合わせて価格を自動調整するStripeの機能「Adaptive Pricing」を活用したサブスクリプション事業では、初期コンバージョン率が平均4.7%向上、顧客生涯価値(LTV)が平均5.4%向上しており、動画AIプラットフォームのRunwayではLTVが最大17.7%向上した事例も報告されています。

ストライプジャパン株式会社代表取締役のダニエル・ヘフェルナン氏は、日本のAI企業の事業拡大やグローバル展開を技術力とデータに基づいたインサイトで支えていく意向を示しています。
Stripeの概要
- 本社所在地:サンフランシスコ、ダブリン
- 事業内容:プログラマブルな金融サービス、決済インフラの提供
- 決済処理規模:年間1.9兆ドル(約300兆円)以上(世界GDPの1.6%相当)
本記事はStripeの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



