明大の宮下芳明教授が賞味期限で価値変わるチーズのアート制作 11月に展示発表へ
明治大学総合数理学部の宮下芳明教授は、同じチーズを賞味期限までの残り日数に応じてその時期の価値を表す5つの名前とパッケージで表現するアート作品「食べごろはひとつじゃない。」を制作しました。同作品は、2026年11月7日(土)と8日(日)に東京ポートシティ竹芝で開催される「みんなの脳世界2026~超多様~」で展示発表されます。
ナチュラルチーズはパッケージ後も熟成で風味が変化し続ける一方、店頭では賞味期限が近づいた食品が値引き販売されがちです。本作は風味の変化を異なる価値として捉え、5つの段階をそれぞれ別の商品のようにデザインすることで、賞味期限が近い商品を価格を下げずに選んでもらうための可能性を示し、食品ロスの削減や販売のあり方に関わる試みとなっています。
賞味期限に応じた5段階のパッケージデザイン


作品では、時期ごとに名前とおすすめの料理が変わる5種類のパッケージが表現されています。
- 賞味期限まで120~91日「ミルク香る 熟成チーズ」:ミルクの香りと軽い酸味を生かし、サラダや冷たい前菜の仕上げに使う段階として表現。「食べる直前に、おろしてかける」使い方を提案しています。
- 賞味期限まで90~61日「まろやか仕立て 熟成チーズ」:旨味とコクがなじむ段階として、卵料理や温野菜など余熱で混ぜる料理を提案。「火を止めてから、おろして混ぜる」使い方を示します。
- 賞味期限まで60~31日「コク深まる 熟成チーズ」:熟成した風味の強さを加熱料理の持ち味と捉え、グラタンやキッシュなどを提案。「ソースや具材に、おろして混ぜる」使い方を提示しています。
- 賞味期限まで30~15日「焼いて香ばしい 熟成チーズ」:濃い風味を焼き色と香ばしさにつなげ、ピザやチーズせんべいなどを提案。「薄く広げて、焼き色をつける」と説明しています。
- 賞味期限まで14日~当日「うま味凝縮 熟成チーズ」:強い熟成感や塩味、コクを料理全体の引き立て役と捉え、カレーやミートソースなどの煮込みを提案。「味を見ながら、少しずつ加える」使い方を示しています。

味覚メディア研究を手がける宮下芳明教授の視点

作者の宮下芳明教授は明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科で「味覚メディア」の研究に取り組んでおり、電気刺激で味を変える研究で2023年にイグ・ノーベル賞(栄養学賞)を受賞したほか、キリンホールディングスとの共同研究による食器型デバイス「エレキソルト」などの実績を持ちます。
宮下教授は作品について、食品メーカーが味を一定に保つ努力を重ねてきた一方で、賞味期限が近づいても価値が下がるわけではないと指摘し、その時期ならではの価値を主張すればよいと述べています。また「この作品で問いたいのは、チーズの価値ではなく、私たちの価値の決め方です」とコメントしています。


会場では架空の商品である5種類のパッケージ模型に加え、味わいや使い方を紹介するリーフレット、解説パネルが展示されます。人の感覚や脳の多様性をテーマとする同イベント内の『五感互換』展 ~味はかえられる?~ CANVAS(監修:宮下芳明)で公開され、食品の提供や試食は行われません。
展示の概要は以下の通りです。
- 作品名:食べごろはひとつじゃない。
- 作者:宮下芳明(明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 教授)
- 展示内容:パッケージ模型(架空の商品)5種類、紹介リーフレット、解説パネル(※ 食品の提供・試食はありません)
- 催事:「みんなの脳世界2026~超多様~」内『五感互換』展
- 日時:2026年11月7日(土)11:00~17:00、11月8日(日)10:00~17:00
- 会場:東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー1階 ポートホール(東京都港区海岸1-7-1)
- 入場料:無料
- 公式サイト:https://minnou.jp/ja/2026/
本記事は明治大学の発表をもとに作成しました。
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