沼津市の小中学校でオンライン英語対話 即興力を育成し小6へも対象拡大
静岡県沼津市は、児童・生徒が教室からクロームブック端末を使用し、オンラインで初対面の外国人講師(OLT)と1対1で英語の言語活動を行う「沼津市統一パフォーマンス・デイ」を実施している。これまでの暗記した原稿を発表する形式ではなく、その場で質問し、答え、会話を続ける即興のやり取りの力を市内全体で育てている。令和4年度から市内全公立中学校で導入されてきたが、令和7年度からは小学校6年生にも実施対象を広げている。
教室から外国人講師とオンラインで1対1の対話

沼津市統一パフォーマンス・デイは、市内全公立中学校の生徒が各校の教室から、初対面のOnline Language Teacher(OLT)とオンラインで英語の対話を行う取組である。例年9月〜2月に学校ごと・学年ごとに実施日を設けており、1クラスの所要時間は約1時間となっている。指導体制としては、児童・生徒およそ5人に1人のOLTが付く。
活動内容は以下の2点から構成されている。
- 1対1の対話:学年ごとの共通課題(目的・場面・状況つき)をテーマに、共通の評価基準に基づいてOLTが評価・フィードバックを行う。例えば中学2年生では「日本のおすすめの観光スポットについて、相手の旅行の希望を質問しながら会話を続け、相手に合った楽しみ方を提案する」といった課題に取り組む。
- グループでのフリートーク:評価の対象外で、自由に会話を楽しむ。
令和4年度から3年間は中学生が対象となっていたが、令和7年度からは小学校6年生でも実施対象を広げている。
即興でやり取りする力の育成を目指す背景
同市は教育基本構想で「グローバルな視点を持つ人の育成」を掲げており、幼稚園・保育園から小学校4年生までは「イングリッシュデビュー」、5・6年生は「イングリッシュアドベンチャー」、小学校5年生は「ENGLISH DAY」、小学校6年生から中学校3年生は「パフォーマンス・デイ」と、発達段階に応じた体験的な英語学習を積み重ねている。
背景には、学習指導要領において英語教育の4技能5領域のうち「話すこと」が[発表]と[やり取り]に分かれ、即興的なやり取りの力の育成が強く求められている状況がある。同市ではこれまでの調査から、聞く力や知識に強みがある反面、自分の考えをその場で伝える力に課題が見られていた。市全体で共通のゴールとなるパフォーマンス・デイを設けることで、児童・生徒が英語を「使う」体験を積むとともに、そこで得た課題を教員の授業改善へと還元していくサイクルを作ることをねらいとしている。
児童生徒の肯定的な評価と学力調査での成果
実施後に児童・生徒(約5,000人)へ行っているアンケートでは、肯定的な回答の割合が令和4年度から令和6年度にかけて以下のように推移した。
- 「パフォーマンス・デイは楽しかった」:91.3% → 93.6% → 95.8%
- 「英語を話す力が向上したと思う」:82.9% → 84.4% → 87.6%
- 「自分の思いや考えが相手に伝わったと思う」:80.1% → 82.9% → 87.2%
子供からは「自分から質問することができた」といった声が寄せられたほか、英語が苦手だった子供が助けを求めながら伝えようとする姿も見られた。教員からも、英語を生き生きと話すこの機会が子供の学習のモチベーションを高めているという声が上がっている。
また、令和8年度全国学力・学習状況調査(中学校英語・4技能)では、同市の平均スコアが全国(499)を大きく上回ったとしている。
社会的な話題への挑戦と日常授業への展開
中学校の3年生では、社会的な話題について意見を交わす課題にも挑戦している。同市では、年に一度の機会にとどまらず、日常の授業の中で自分の考えを即興で伝え合う力を育てていくとしている。
本記事は静岡県沼津市の発表をもとに作成。
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