超小型衛星ONGLAISATが米AIAAの年間最優秀ミッション賞を受賞
株式会社アークエッジ・スペースは、TASA(Taiwan Space Agency)および東京大学大学院工学系研究科の船瀬・五十里研究室と共同開発した6U級地球観測衛星「ONGLAISAT(オンライサット)」が、米国航空宇宙学会(AIAA)のSmall Satellite Technical Committeeが主催する「Small Satellite Mission of the Year Award」を受賞したと発表した。同社によると、日本の企業や大学が開発に参画したミッションが同賞を受賞するのは今回が初となる。2025年に軌道上で高精度な観測・実証成果を上げたことが評価された。
小型衛星の技術的成果を称える国際的な賞を受賞
Small Satellite Mission of the Year Awardは、小型衛星の能力向上に顕著な成果をもたらしたミッションを表彰する賞である。候補の中からファイナリストが選ばれ、一般投票を含む選考プロセスを経て、米国で開催されるSmall Satellite Conferenceの会期中に受賞ミッションが決定・発表される。
ONGLAISATは、2025年に実施した軌道上での撮像・実証成果をもとに2026年の同賞ファイナリストに選出され、今回の受賞に至った。同社調べによると、過去の受賞ミッションにおいて日本の企業や大学が開発に参画した事例はこれまでなかったとしている。
6U級プラットフォームで高精度な地球観測と姿勢制御を実現
ONGLAISATは、東京大学とアークエッジ・スペースが共同開発した姿勢決定・制御技術を含む衛星バスに、TASAが開発した光学観測装置を統合した約10kgの6U級地球観測衛星である。2024年12月に国際宇宙ステーション(ISS)から放出され、初期運用などを経て2025年に本格的な撮像運用を開始した。
同衛星は、主に大型衛星で実現されてきた高分解能光学地球観測を小型・低コストな6U級衛星で実現する可能性を示した。具体的には、以下の成果を達成している。
- 6U級衛星による地上分解能2.44mの地球観測画像の取得
- 8段および16段TDI(時間遅延積分)撮像においてS/N比100超を達成
- TDI撮像に必要な高精度な姿勢決定・制御の実証
- 初期運用後の約2か月間で100回を超える撮像運用の実施
- 光学ペイロード、高精度姿勢制御、オンボード画像処理を統合したシステムの軌道上実証
TDI撮像では高品質な画像を得るために高度な姿勢安定性が求められるが、ONGLAISATは撮像時に数百arcsecオーダーの姿勢制御精度を実現し、安定した指向を確保した。同社は2025年2月に地上分解能2.5〜3.0mの撮像成功を発表していたが、その後の解析により地上分解能2.44mなどの詳細な成果を確認したとしている。
代表コメントと今後の宇宙インフラ構築への取り組み
アークエッジ・スペースの代表取締役CEOである福代孝良氏は、今回の受賞について、TASAや東京大学をはじめとする関係者の力が結集した結果であるとし、ミッションの実現に同社の衛星開発・運用技術が貢献できたことを誇りに思うと述べている。また、得られた経験と成果を今後の衛星開発に生かし、国内外のパートナーとともに社会や産業を支える宇宙インフラの構築に取り組む方針を示した。
株式会社アークエッジ・スペースについて
アークエッジ・スペースは、超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用までを手がける宇宙スタートアップ企業である。地球観測や船舶向け衛星通信、光通信、低軌道衛星測位などの超小型衛星コンステレーション構築や、月面活動・深宇宙探査に向けた衛星インフラの開発を進めている。
- 所在地:東京都江東区有明一丁目3番33号 ドーム有明ヘッドクォーター3階
- 代表者:代表取締役CEO 福代 孝良
- 設立:2018年7月
- URL:https://arkedgespace.com/
本記事は株式会社アークエッジ・スペースの発表をもとに作成。
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