crack大野陣氏が100年経営研究機構で講演 ベテランの暗黙知をAI実装へ
crack株式会社の代表取締役である大野陣氏は、自身が参与を務めるシンクタンク「100年経営研究機構」の懇談会にて、「社会課題から紐解く『AIの今後』」をテーマに講演を行いました。日本に多く存在する長寿企業が次の100年へ向かう上での課題として、ベテラン社員の経験に宿る暗黙知の風化に懸念を示しました。大野氏は、AIを単なる業務効率化の手段にとどめず、言葉になっていない現場の知恵を抽出してAIが実行できる構造へ変換することの重要性を提起しました。
100年経営において継承すべき「判断の回路」

日本の長寿企業が培ってきた叡智の可視化と共有を目指す100年経営研究機構の活動において、現場を支えてきたベテラン社員の価値継承は重要なテーマとなっています。異常の予兆を察知する感覚や品質維持のためにあえて行わない判断などは、当人にとっては自明であるため説明されにくく、退職や異動に伴って失われやすい性質を持ちます。
大野氏は講演の中で、「ベテラン社員の価値は、作業量ではありません。迷ったときに何を⾒て、何を捨て、どこで踏みとどまるかという“判断の質”に宿っています。100年経営を⽬指す企業が次世代へ渡すべきものは、歴史の年数だけではない。現場で積み上げられた“判断の回路”こそ重要なのです」と述べ、現場で培われた判断基準を再現可能な経営資産にすることの必要性を語りました。

多くの企業がノウハウ継承のためにマニュアルや動画の整備を進めているものの、形式知として整理できる知恵は一部に限られます。人間同士であれば文脈から意図を補完できますが、AIが実務で活用するためには、どの条件で何を判断するのか、禁止事項は何か、どの品質基準で次の工程に進むのかといった深い変換が求められます。

crackでは、専門家の判断プロセスを掘り起こし、AIが実行可能な条件分岐や禁止事項、品質ゲートとして構造化する手法をとっています。これにより、単なるノウハウ共有を超えて、AIと次世代の人材が現場で活用できる判断の仕組みづくりに取り組んでいます。

暗黙知の抽出からAI実装までの実例
暗黙知をAIへ実装するには、本人が無自覚な判断や美意識を引き出す技術と、それをAIが扱える仕様へと変換する技術の双方が必要とされます。crackでは、認知タスク分析や動機づけ面接などの知見をもとに、専門家との対話を通じて判断の背景を掘り下げ、AI実装可能な形へ整理しています。

今回の講演では、専門家やトップパフォーマーの暗黙知をAIに転写した実務活用の実例や、日比谷花壇のフラワーコーディネーターが持つ現場感覚を資産として抽出する取り組みなどが紹介されました。暗黙知の風化を一企業の枠にとどまらない社会課題として捉え、失われがちな経験知を未来の経営資産へ転換する支援を続けていくとしています。
crack株式会社の概要
- 社名:crack株式会社
- 代表者:代表取締役 大野 陣
- 設立:2020年
- 所在地:東京都中央区銀座1-12-4 N&E BLD.7階
- 事業内容:採用ブランディング、ARTブランディング、社歌・楽曲制作、PR、AIコンサルティングおよびAI開発・導入に関する講演、助成金活用 教育事業
- URL:https://www.crack-inc.co.jp/
本記事はcrack株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



