コウノトリとラクダの歌が2026年10月28日発売へ オランダの文学賞受賞作
オランダの作家アニエット・ダーニエ氏による長篇小説『コウノトリとラクダの歌』(長山さき訳)が、2026年10月28日に発売される。本作はエミリー・ブロンテをモデルとする架空の女性作家をめぐる11の物語で構成された832ページの大著である。オランダ国内でリブリス文学賞と図書券文学賞を史上初めてダブル受賞したほか、現地の5つの文学賞を独占した作品となっている。
物語の中心となるのは、19世初めの英国ヨークシャーに生きた牧師の娘エライザ=メイ・ドレイデンである。ヒースの丘の散策と読書を好み、姉妹とともに密かに小説を執筆していたエライザは、男性名義で出版された唯一の本が「不道徳」と酷評され、失意のまま早逝する。
11章からなる本書では、寡黙な独身女性だったエライザをめぐるゴシップや手紙、伝記、謎めいたノートからの引用が各章の冒頭に配置されている。作中ではニューヨーク、ロンドン、第一次大戦中のフランス、21世紀のオランダへと舞台を移しながら、村の女性納棺師、エライザを見守る文房具屋兼郵便局の娘、伝記作家の母と娘たち、古い手稿の蒐集家と息子、時計職人の夫と物理学徒の妻などが登場し、死と再生の循環や繰り返される人生が描かれる。
本作について、作家の小川洋子氏は「何と深遠な物語」と評している。また、小川公代氏は「フィクションとノンフィクションのあわいを捉えた稀有な長編小説」とコメントを寄せている。
著者アニエット・ダーニエ氏と翻訳者の実績


著者のアニエット・ダーニエ氏は1965年、オランダ・ドレンテ州生まれ。ユトレヒト大学で数学博士号を取得した経歴を持ち、1993年に作家デビューした。シナリオライターとしても活動し、短篇映画でベルリン映画祭金熊賞を受賞している。前作『記憶される兵士』の英訳は、2025年度全米図書賞翻訳部門および2026年度国際ブッカー賞の候補に選ばれた。
2022年に刊行された本書『コウノトリとラクダの歌』は、オランダでリブリス文学賞と図書券文学賞を史上初となるダブル受賞で獲得した。ダーニエ氏は2023年に作家活動全体に対してコンスタンタイン・ハウヘンス賞を受賞しており、2025年には本書がNRCハンデルスブラット紙の選ぶ〈今世紀最良の本〉に選出されている。

翻訳を手掛けた長山さき氏は1963年神戸生まれ。関西学院大学大学院修士課程を修了して文化人類学を学んだ後、1987年にオランダ政府奨学生としてライデン大学に留学し、現在はアムステルダムに在住している。訳書には、本屋大賞翻訳小説部門を受賞したトーン・テレヘン『ハリネズミの願い』のほか、ハリー・ムリシュ『天国の発見』、サンダー・コラールト『ある犬の飼い主の一日』などがある。
勝本みつる氏による装幀デザイン
本書のカバーには、美術家の勝本みつる氏によるコラージュ作品が使用されている。書名にちなんだコウノトリとラクダに加え、作中に繰り返し現れるモチーフであるブラックベリーや時計、ハエやイラクサなどの植物が配置され、イラストの一部には金の箔押しが施されている。表紙はチョコレート色の用紙に銀の箔押しが施された仕様となっている。
書籍データ
- タイトル:コウノトリとラクダの歌
- 著者・訳者名:アニエット・ダーニエ 長山さき訳
- 発売日:2026年10月28日
- 造本:四六判変型
- 定価:6600円(税込)
- ISBN:978-4-10-507481-4
本記事はプレスリリースの発表をもとに作成しています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



