ニチエツ、自律搬送技術Zeroteach-AMR開発 12月に初公開へ
重量物搬送ロボティクスを手がけるニチエツ株式会社は、自律走行搬送ロボット(AMR)導入時のティーチング作業やレイアウト変更時の再設定を不要とする自律搬送技術「Zeroteach-AMR™」を開発しました。


天井カメラによる広域監視と装置内カメラによる近接監視を融合し、ティーチングレスかつ±0.5mm精度での設備ドッキングを両立した自律搬送技術としては世界初(2026年9月時点自社調べ)となります。
実用化の第1弾として、プラスチック成形工場における金型の搬送から交換までの工程を自動化する無人金型交換システム「Zeroteach-mQMC(mobile Quick Mold Changer)」を、2026年12月に開催される展示会で実演初公開します。

国内の製造現場では深刻な人手不足が続いており、プラスチック成形業界の有効求人倍率は2025年度に5.34 倍を記録しました。これは2024年物流問題で取り上げられたトラック運転手の2倍以上にあたります。



また、同工場における天井クレーンを用いた金型交換作業(たて段取り)は、落下や挟まれによる重大労災のリスクを抱えています。資格者の配置や安全確認に多大な時間と労力を要することが、生産性低下の要因となっていました。

同社は50 社以上への導入実績を持つ「横段取り」用金型交換装置の開発経験を活かし、自律走行式金型交換装置の開発を進めてきました。しかし従来の他社製AMRでは、高い位置決め精度が求められることから導入時のティーチングに時間を要するほか、床面状態やレイアウトの変化に伴う再ティーチングで長時間の生産停止が発生することが課題となっていました。
課題を解決する3つの新技術
Zeroteach-AMR™は、製造現場の既存環境を変えることなく、安全かつ高効率な稼働を目指して開発された技術で、主に3つの特徴を備えています。

1つ目は、独自のデュアル誘導方式です。天井カメラによる広域監視と装置内カメラによる近接監視を組み合わせることで、死角からの人の接近を察知する安全性とティーチング作業ゼロを両立し、目標設備へ±0.5mm精度での自動ドッキングを可能にしています。
2つ目は、全輪駆動・全輪操舵による全方向移動機構とC2パス(曲率連続)制御を融合させた全方向移動技術です。走行中の一時停止や切り返しをなくし、膨らみのない旋回によって極小スペースでもスムーズな走行を実現します。
3つ目は、床面のうねりや段差を物理的に吸収する独自の水平維持機構です。フロアの凹凸による車体の傾きを防ぎ、鉄板敷設や改修工事を行わずにスムーズな金型搬出入を可能にします。スリップレス駆動によりクリーンルームにも対応します。
12月の「IPF Japan2026」で実演初公開へ
同社は、幕張メッセで開催される「IPF Japan2026(国際プラスチックフェア)」の松井製作所ブース内において、Zeroteach-mQMCの実演初公開を予定しています。
- 名称:IPF Japan2026(国際プラスチックフェア)
- 会期:2026年12月1日(火)~12月5日(土)10:00~17:00(最終日は16:00まで)
- 会場:幕張メッセ国際展示場
- 場所:6 ホール ブース№62002(松井製作所様ブース内)
- 公式サイト:https://www.ipfjapan.jp/
※完全事前来場登録制となります。
今後の展望と企業概要


現在、Zeroteach-mQMCは大手機械メーカーや自動車部品メーカーを中心に提案が進められています。同社は展示会への出展などを通じて新規顧客を開拓し、2027年には5セットの受注を目指す方針です。今後はプレスやダイカスト現場への展開に加え、大型加工機へのワーク供給や多関節ロボットを搭載した移動作業への応用など、用途の拡大を図るとしています。
ニチエツ株式会社の概要は以下の通りです。
- 会社名:ニチエツ株式会社
- 代表取締役:中村高志
- 所在地:神奈川県横浜市都筑区川向町852-1
- 設立:2017年11月
- 事業内容:製造業現場向け自動化装置・自律走行型ロボットの開発、製造、販売
- 公式HP:https://jpvn.co.jp/
本記事はニチエツ株式会社の発表をもとに作成しました。
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