Dellows News

働くシニアの3割超が聞き取りづらさを理由に働き方を変更 オーティコン補聴器調査

東京都品川区に拠点を置くオーティコン補聴器は、全国の60〜79歳の男女611名を対象に実施した「シニア世代の聞こえと生活・コミュニケーション」に関する調査結果を公表した。働くシニアの34.6%が聞き取りづらさを理由に仕事や働き方を変更した経験があり、聞こえの変化がある就業者では半数超が働き方を変更している実態が明らかになった。

聞こえの変化がある就業者の半数超が働き方を変更

総務省統計局によると65歳以上の就業者は943万人と過去最多となり、シニア世代が長く働き続けることが前提になりつつある。本調査でも、60〜79歳の就業者338名のうち94.1%が「今後も働き続けたい」と答え、そのうち63.2%が「できるだけ長く働きたい」と回答した。

一方で、全回答者611名の46.5%(284名)が聞こえの変化を自覚または周囲から指摘された経験があると回答した。就業者338名では50.9%、非就業者273名では41.0%が該当している。就業者のうち、オンラインを含む会議や商談、接客、電話対応など人との会話を伴う業務を週1回以上行う人は61.5%(208名)に上り、聞こえの変化がある就業者172名のうち25.6%(44名)が仕事中の聞き間違いや聞き漏らしによるミスや行き違いを経験していた。

聞き取りづらさを理由とした仕事や働き方の変更については、就業者338名のうち34.6%(117名)が変更したことがあると回答した。聞こえの変化がある就業者172名では54.1%に達している。具体的な内容としては「電話や会議が少ない仕事・業務を選んだ」(20.9%)が最も多く、「より静かな環境で働ける仕事・職場を選んだ」(20.3%)、「人との会話が少ない仕事・職種に変えた」(15.7%)と続いた。全回答者611名のうち、聞き取りづらさを理由に仕事を辞めた経験がある人は18名(2.9%)だった。

日常生活や社会参加への影響と会話の推測

聞き取りづらさの影響は日常生活にも及んでいる。聞こえの変化がある人284名が仕事中を除く日常生活で聞き取りづらいと感じる場面は、「飲食店など、周囲で人が話している騒がしい場所」(45.1%)や「複数人での食事・集まり」(36.3%)が上位となった。また、聞き取りづらいことで経験したこととして、「聞き取れない部分を前後の会話から推測した」(41.9%)、「何度も聞き返すことにストレスや気まずさを感じた」(33.8%)、「聞こえたふり・分かったふりをした」(32.7%)、「聞き取ることに集中して疲れた」(29.9%)が挙げられている。

さらに、全回答者611名の76.9%が過去1年間にプライベートな集まりや旅行などの社会活動に参加している一方、聞こえの変化がある人284名の54.2%が、聞き取りづらさを理由に参加を控えたり避けたりした経験があると回答した。控えたり避けたりした場としては「プライベートな集まり(家族・友人との食事、趣味や習い事など)」(27.1%)や「公式な場(職場の会食や懇親会など)」(17.6%)、「旅行」(15.8%)が挙げられている。

補聴器の利用状況と求められる機能

自分で聞き取りづらさを自覚している人174名のうち、81.6%(142名)が現在補聴器を使用していなかった。その142名のうち51.4%(73名)が「できれば使いたくない」「必要性を感じても、やや抵抗や不安がある」と回答し、理由(複数回答)としては「価格が高そうだから」「『老けた』印象を持たれそうだから」「自分にはまだ必要ないと思うから」がいずれも約3割を占めた。

一方で、難聴と認知機能の低下や社会的孤立との関連に関する研究報告を「ある程度理解している」「よく知っている」と答えた人(179名)では、補聴器を「使っている」「使いたい」と答えた割合が68.2%に達し、「知らなかった」人(184名)の35.9%を上回った。また、補聴器を使っている、または使いたいと答えた就業者182名の利用理由(複数回答)では、「人の話を聞き取りやすくしたいから」(50.0%)に次いで「家族や友人との会話をこれまで通り楽しみたいから」(44.0%)、「仕事での会話やコミュニケーションを円滑にしたいから」(37.9%)、「できるだけ長く仕事を続けたいから」(22.5%)が挙がっている。

補聴器に求める聞こえ方について全回答者611名に尋ねたところ、49.1%が「会話を聞き取りやすくしながら、周囲の音も自然なバランスで聞こえるほうがよい」と回答し、「周囲の音はなるべく抑えて、会話を中心に聞こえるほうがよい」(26.4%)を上回った。就業者では51.5%が自然なバランスを希望している。

オーティコン補聴器プレジデントの齋藤 徹氏は、聞こえの変化が離職ではなく仕事の幅の調整として表れている点に触れ、長く働き社会とつながり続ける時代において自身の聞こえの状態を早めに知り適切な聴覚ケアにつなげることの重要性を指摘している。

調査概要

  • 調査名称:「シニア世代の聞こえと生活・コミュニケーション」に関する調査
  • 調査方法:インターネット調査(調査会社:Knowns 消費者リサーチ)
  • 調査期間:2026年10月9日〜13日
  • 調査対象:全国の60〜79歳の男女 計611名(就業者338名、非就業者273名)年代別:60〜64歳261名、65〜69歳189名、70〜74歳107名、75〜79歳54名

※構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。複数回答の設問は合計が100%を超えます

オーティコンは1904年にデンマークで創設された補聴器メーカーで、デマントを代表する補聴器ブランドである。理念に「Life-changing technology」を掲げ、脳から聞こえを考える独自開発理念「BrainHearing™」に基づいた製品開発を進めている。日本では1973年より補聴器の製造・販売を行っている。

デマントはデンマークに本社を置く聴覚ヘルスケアグループで、世界中で26,000人強の従業員とともに130カ国でビジネスを展開している。

本記事はオーティコン補聴器の発表をもとに作成。 参照: 総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」(2026年9月20日)https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1490.html 厚生労働省ホームページ「『聞こえにくさ』感じていませんか?」https://www.mhlw.go.jp/nanntyou/ オーティコン補聴器公式サイト https://www.oticon.co.jp/

アクセスランキング

今日

1週間