CP AI Robotics、小売向けフィジカルAIを発表 自社調べで世界初
CP AI Robotics株式会社は2026年10月8日、RETAIL EXPO Tokyo 2026において、小売業向けとして世界初(同社調べ)となるフィジカルAIソリューションを発表しました。あわせて、完全自社開発となるロボット2機種およびロボット管理プラットフォームも公開されました。本ソリューションは実店舗環境での人とロボットの協働を前提に設計されており、日常業務の支援や夜間運用の負担軽減を図るものです。


実店舗の運用負担を軽減するフィジカルAIソリューション
今回発表されたソリューションは、基盤モデル、ロボットの知覚・制御、実環境における行動データ、ロボット本体、導入インフラを統合した小売向けフィジカルAIシステムです。店舗数が多く商品陳列や客流が絶えず変化する小売環境において、タスク割り当てから環境認識、ナビゲーション、対象物認識、把持、作業実行までをエンドツーエンドで遂行します。
報告済みの導入条件下において、システムは最大99%のタスクを自律的に完了できるとしています。来店客が多い時間帯には搬送や商品補充、棚卸し、巡回点検などをロボットが担い、店舗スタッフが接客や判断業務に集中できる環境を整えます。また、夜間の継続運用ではロボットが反復的な身体作業を担うことで、スタッフの深夜作業の負担を軽減し、24時間365日営業のコンビニエンスストアにおける業務効率とサービス品質の維持を支援します。
世界初に関する注記として、CP AI Roboticsが2026年9月30日に調査を完了した内容に基づいています。これは2026年9月25日までに確認可能な世界の公開Web情報を対象に、北米、欧州、日本、中国、韓国、シンガポール、中東などの主要市場における小売ロボット・具身知能・Physical AI関連の39事例を比較したものです。判定基準として、小売業務を直接対象とすること、開放された実店舗環境であること、人とロボットの明確な業務分担があること、24時間365日の継続運用を目標とすること、AIモデルから人による介入までを統合したPhysical AIソリューションであることの5点が挙げられています。
自律進化を支える「フィジカルAI・ブレイン」
システムの中心となる「フィジカルAI・ブレイン」は、モデル、アルゴリズム、データ、インフラを中心に構成されています。
中核技術の一つである軽量ワールドアクションモデル「SLM-0.5」は、将来のシーン変化における重要な情報を捉えたコンパクトな視覚潜在サブゴールを予測し、行動生成の条件として利用します。ロボットの評価基準である「LIBERO」で平均成功率98.6%、「RoboTwin」で91.22%を達成したほか、次の行動予測にかかる時間は0.187秒となっており、従来の映像ベースの予測モデルと比較して最大24倍の超高速化(低遅延)を実現しています。
さらに、人間からのフィードバック「RLinf」を基盤としたポストトレーニング手法「STEAM」により、少量のタスクデータとフィードバックを活用して実行能力を向上させます。また、エージェント基盤「RPent(Recursive Physical Agent)」を採用することで、知覚や推論、自己進化などの能力を組み合わせられるコンポーザブルなフレームワークを提供し、異なるハードウェアやタスクを横断した導入を可能にしています。
小売環境に適応するロボット本体と管理プラットフォーム
発表されたハードウェアおよびプラットフォームは、既存店舗への改修を最小限に抑えて運用できるように設計されています。

二足歩行ヒューマノイドロボット「H1」は、顧客対応シーンに適した親しみやすい外観を持ち、20以上の言語によるインタラクションに対応するほか、45種類の表情と36種類のジェスチャーを搭載しています。システム統合に向けたオープンAPIも提供されます。

車輪型双腕ロボット「C1」は、コンビニエンスストアなどの狭い通路向けに狭幅の全方向移動ベースを採用したモバイルマニピュレーションロボットです。作業高さは100mmから1,750mm以上まで対応し、幅広い棚の高さにアクセスできます。安全性への配慮として、前後の深度センシングと360°視覚を組み合わせたマルチセンサー認識を備え、障害物を30cm以内で検知した場合には緊急制動に対応します。同社は今後、重量物対応モデルやレジ・袋詰めなどの精密操作を担う「A1高精度マニピュレーションロボット」の展開も予定しています。
これらを統括するロボット管理プラットフォーム「M1」は、複数ロボットの協調を支える運用基盤です。タスク実行やナビゲーションなどの主要機能はネットワーク接続を常時必要とせずローカル環境で自律実行できる一方、遠隔監視や有人介入にはネットワーク接続を活用する構成をとっています。
現場共創と2027年に向けた商用展開
今回の発表に伴い、同社は初期パートナーとの現場共創プログラムを開始しました。グローバルパートナーとともに実際の店舗環境で検証を進め、ホットフード対応や在庫管理、配送・仕分け、包装などへ対象業務を段階的に拡大していく方針です。
商用サービスは2027年に正式開始される予定となっており、ロボットの直接購入のほか、RaaS(Robotics-as-a-Service)のサブスクリプション形式も選択可能となります。CP Groupのグローバルな小売エコシステムを活用し、大規模導入を進めた後、より幅広い業界やシーンへの展開を目指すとしています。
CEOの姚頌氏は、小売は多様な商品や変化する業務フローが存在する複雑で動的な環境であるとした上で、実際の店舗にフィジカルAIを導入することで実運用から継続的に学習し、より高い能力を持つロボットシステムへつなげることができると述べています。
CP AI Robotics株式会社の概要
- 設立:2026年
- 代表者:CEO 姚頌
- 拠点:シンガポール、東京、北京、上海
本記事はCP AI Robotics株式会社の発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



