文京学院大学の貫井万里准教授がホルムズ海峡管理機構の創設を提言
文京学院大学は、ヒューマン・データサイエンス学部の貫井万里准教授によるオピニオンレターVol.36「ホルムズ海峡の平和と美しい海を取り戻すために―国際的な海峡管理制度の提案」を発行しました。2026年のイラン戦争を機に通航が大幅に制限されたホルムズ海峡について、安全な航行の再開とペルシア湾の環境保全に向けた国際協力のあり方を考察しています。海峡を国際社会が協力して維持すべき「国際公共財」として捉え直し、新たな国際的管理制度の創設などを提言しています。
原油輸入の要衝における危機と課題
2025年の日本の原油輸入におけるホルムズ海峡への依存度は93.0%に達しており、海峡の安全確保は急務とされています。2026年2月のイラン戦争以降、通航制限や船舶への攻撃が続いており、日本のエネルギー安全保障や国民生活にも影響が及んでいます。オピニオンレター本文では、世界のエネルギー輸送を支えるホルムズ海峡の地理的・歴史的重要性とともに、イランによる通航制限や通航料徴収をめぐる国際法上の問題が整理されています。
新たな枠組み「ホルムズ海峡管理機構」の創設案
同レターでは、イランとオマーンを実施主体とし、湾岸諸国や日本を含む主要利用国などが協力する「ホルムズ海峡管理機構」の創設が提案されています。沿岸国と海峡利用国、海運業界などが協力し、航行安全や環境保全に必要な費用を自発的な拠出によって分担する新たな国際的管理制度の可能性を示しています。海峡を軍事的な対立の場ではなく、国際社会が協力して維持すべき「国際公共財」として捉え直すことが、長期的な地域の安定につながると論じています。
海峡の航行安全と環境保全の一体的な推進
戦争による石油流出や有害物質による海洋汚染、沿岸生態系への影響にも着目し、航行安全の確保と環境保全を一体的に進める重要性が指摘されています。既存の国際協力の枠組みを活用した環境保護や、日本による技術・資金面での協力の必要性も提言されています。
提言者の経歴
提言を行った貫井万里准教授の専門分野や経歴は以下の通りです。
- 所属:ヒューマン・データサイエンス学部 准教授
- 専門:イランを中心とする中東地域研究(政治、文化、社会、歴史)、比較文化、異文化理解、社会運動論
- 経歴:慶應義塾大学大学院文学研究科史学科(東洋史専攻)博士課程単位取得退学。在イラン日本国大使館専門調査員、国際交流基金日本研究・知的交流部欧州・中東・アフリカ専門員、在シリア日本国大使館専門調査員、早稲田イスラーム地域研究機構研究助手、九州大学大学院法学府非常勤講師、法政大学GISグローバル教養学部非常勤講師を経て現職
なお、福井勉が学長を務める文京学院大学が発行したオピニオンレターの詳細は、同大学のウェブサイト(https://www.bgu.ac.jp/about/activity/opinion_letter/page-21303/)で公開されています。
本記事は文京学院大学の発表をもとに作成しています。
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