名古屋鉄道と三菱電機 瀬戸線で無線式新保安システムの実証実験へ
愛知県名古屋市に本社を置く名古屋鉄道株式会社(代表取締役社長:髙﨑 裕樹)と、東京都千代田区に本社を置く三菱電機株式会社(執行役社長:漆間 啓)は、瀬戸線において無線式新保安システム(仮称)の実証実験を2027年1月20日から実施します。さらなる安全性の向上と、将来の自動運転化に向けた基盤構築を目的としています。実証実験では、走行試験を通した機能検証に加え、既存システムとの混在運転に関する安全性や実用性の検証も進められます。

無線式新保安システムの概要
名古屋鉄道では、既存の信号保安システムであるM式ATSの刷新を目指し、無線式列車制御システム(CBTC)をベースとした新システムの検討を進めています。M式ATSは、各地点における制限速度に応じて地上子(列車の速度超過を検知するための地上装置)を設置し、列車が地上子通過時に速度超過していると検知して列車を自動で停止させるシステムです。一方、CBTCは無線通信技術を用いて列車の運行を制御する鉄道信号システムで、リアルタイムで列車の位置情報を取得し、列車の間隔を柔軟に調整できるため運行効率の向上が期待できます。
新システムは、既設の信号機の情報を無線で常時列車に通知し、その情報をもとに列車を制御して安全を担保します。既存のM式ATSと比較して、常に列車が安全に走行できる速度を把握できるため安全性の向上が期待できるほか、列車の位置に関わらず情報を更新できる特徴があります。これにより、自動制御を行う場合に必要な情報も常時受信できるようになり、将来的な自動運転の実現に向けた基盤構築にもつなげることができるとしています。
瀬戸線における実証実験の概要

実証実験の実施概要は以下の通りです。
- 実施場所:瀬戸線
- 実施期間:2027年1月20日(水)~3月上旬
実証実験では、新システムが名古屋鉄道の運行形態に対応して適切に機能するかどうかを、走行試験を通して検証し、本格導入に向けた検討を進めます。
段階的な導入に向けた混在運転の検証
従来、信号保安システムを新規導入する際は、地上装置および車両装置の設置工事をすべて完了させてから運用を開始することが一般的でした。しかし、保有車両数が多い場合は、工事開始から実際の運用開始までに長期間を要するという課題が存在していました。
今回の実証実験では、新システムを使用する車両と、現行のM式ATSを使用する車両が同一線区において混在運転を行うことの安全性と実用性を検証します。工事が完了した車両から段階的に新システムの運用を開始することで、早期に安全性向上の効果を発揮できる仕組みづくりについても検証を行う方針です。
各社の役割と目指す将来
実証実験における各社の役割は以下の通りです。
- 名古屋鉄道株式会社:鉄道事業者として試験車両の運行および試験監修を担当
- 三菱電機株式会社:新システム全体の設計・構築および技術支援を実施
実証実験の結果を踏まえ、名古屋鉄道は当社線への導入を検討するとともに、将来的な自動運転も視野に入れた必要機能の検討を進めるとしています。また、三菱電機は実証実験で得られた技術的知見をもとに、保安装置の更新から自動運転の実現まで、段階的なシステム導入を支援する一貫したソリューションの提供を目指すとしています。
本記事は名古屋鉄道株式会社および三菱電機株式会社の発表をもとに作成しています。
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