テムザック、小型無人走行放水ロボット開発 進入困難区域での消火活動を支援
株式会社テムザックは、宗像地区消防本部や元総務省消防庁消防大学校消防研究センター特別上席研究官で徳島文理大学ロボット創造工学科長の天野久徳教授の協力のもと、「小型無人走行放水ロボット」(Prototype)を開発した。本ロボットは、消防隊員の進入が困難な区域での消火活動を支援するもので、総務省消防庁の研究開発公募「消防防災科学技術研究推進制度」に採択されたプロジェクトの一環として進められている。狭い道路にも進入できる小型の機体に遠隔操作による走行・放水機能を備え、ホースを接続したまま走行することで、隊員の安全確保と消火活動の省力化を目指している。



能登半島地震の課題を契機とした開発背景
開発の背景には、令和6年能登半島地震に伴う輪島市大規模火災において、津波警報発令下における浸水想定区域内での消防活動が課題となった経緯がある。この課題解決に向けて総務省消防庁が消防防災科学技術研究推進制度の令和7年度研究課題を公募し、同社が提案した無人走行放水ロボット開発が採択された。同社は、地震や津波発生時の大規模な火災現場など、隊員の進入が困難な区域で安全を確保しながら消火活動を継続するうえで、無人走行放水ロボットの有効性は高いとしている。
また、宗像市および福津市の沿岸エリアの住宅街は道幅が狭く、大型の消防車両の進入が困難な場所や沿岸から近い市街地を抱えていることから、宗像地区消防本部と協調した開発が行われている。
なお、同社が災害救助ロボットの開発を開始したのは1995年の阪神淡路大震災が契機だった。救助にあたった北九州市消防局からの要望を受け、レスキューロボット「援竜シリーズ」が誕生して以来、人が立ち入れない現場を想定した研究開発を継続しているという。
狭路進入と放水圧への耐性を両立した機体性能

小型無人走行放水ロボット(Prototype)は、ポンプ車や消防隊員の進入が困難な区域で、安全を確保しながら消火活動を行うための機体だ。狭い脇道に入れる小型サイズでありながら、全方位への放水圧に耐えうる重量とサスペンションを備えている。
主な仕様と機能は以下の通りとなっている。
- サイズ:全高:1.5m、全幅:1.0m、全長:1.7m
- 重量:460kg(ホースボックス込み)
- 電源:Li-Fe バッテリ(48v60Ah)
- 機能:上下左右の首振り機能付き放水銃、5台のカメラ、4輪車、ホースボックス、自己水冷式冷却機能
- 操作:無線によるコントローラでの遠隔操作
- 通信方式:ローカルWi-Fiによる操作
複数のホースを収納したホースボックスを搭載しており、ホースを機体後部に接続したまま走行して放水範囲を拡大できる。これにより隊員がロボットに帯同してホースをつなぐ必要がなくなる。さらに、ロボット自身が火災の熱で損傷しないよう自衛噴霧も搭載しており、長時間の放水台としての活用も可能としている。
自律消火や複数連携を見据えた今後の展望
今年度は宗像地区消防本部と連携して開発を進めて導入レベルへ昇華させ、試験導入による実際の消火活動を経て、2年後には本格稼働を目指す方針だ。
今後は機体に身体APIやフィジカルAIを搭載し、隊員の口頭指示に応じた自律的な消火活動や、複数台での延焼ラインの維持、経験蓄積による消火効率向上などを図るとしている。同社は得られた知見やAIを今後のロボット開発に反映し、汎用ロボット技術の確立や実践的なロボット開発を継続していく構えだ。
株式会社テムザック 概要

- 本店所在地:〒602-8482 京都市上京区浄福寺通上立売上る大黒町689番地1
- 代表取締役社長:川久保 勇次
- 公式URL:https://www.tmsuk.co.jp
本記事は株式会社テムザックの発表をもとに作成しています。
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