ドコモがAIで嗜好に合わせたライブ映像を自動構成する技術を開発
株式会社NTTドコモは、AIを活用して視聴者一人一人の嗜好に合わせたライブ映像を自動で構成する「パーソナライズ映像自動構成技術」を開発しました。視聴者が個人の好みに合わせて最適化されたライブ映像を楽しむことが可能となります。
開発の背景と従来のマルチアングル配信における課題
近年、音楽ライブやエンターテインメントコンテンツの楽しみ方が多様化し、視聴者それぞれが好みの出演者(推し)や演出、楽曲シーンなどを重視して視聴するニーズが高まっています。
一方で、従来のライブ配信では全視聴者に同一の映像と音声が提供されることが一般的です。視聴者自身がカメラ映像を切り替えられるマルチアングル配信も存在しますが、手動での操作が必要になる点に加え、特定の出演者(推し)だけに注目することでステージ全体の演出や他の出演者の見せ場を見逃してしまうといった課題がありました。
VLMを活用した自動構成の仕組み
こうした課題に対応するために開発された本技術では、映像や画像を組み合わせて理解するAIモデルであるVLM(Vision Language Model)が活用されています。なお、VLMは映像や画像などの視覚情報とテキストなどの言語情報を同時に処理でき、映像の内容を理解して指示に基づいた判断を行うAIモデルです。
本技術により、視聴者があらかじめ設定した出演者(推し)のアップ映像と、ステージ全体の演出や見どころを捉えた映像をAIがバランスよく自動で構成します。これにより視聴者は、視聴中にカメラ映像を切り替える操作を行わずに、自身の嗜好に合わせて構成されたライブ映像を視聴できるようになります。
NTT R&Dフォーラムで音響XRと組み合わせた体験デモを展示
本技術は、2026年11月18日(水)~20日(金)、24日(火)、25日(水)にNTT武蔵野研究センタで開催予定の「NTT R&Dフォーラム」において展示されます。会場では、空間上の音源を仮想的に3次元配置して現実の環境音とバーチャル空間の音を自然に融合させるNTT株式会社の音響技術「音響XR」と組み合わせた体験デモが披露される予定です。
デモでは、映像の自動構成に加えて「音響XR」による特定の歌声の強調や出演者の立ち位置に応じた音の方向制御が行われます。特定の出演者の歌声を強調して聴きながら、その出演者のアップ映像とグループ全体のパフォーマンス映像を組み合わせて視聴するといった体験が可能となり、映像と音響の両面から一人一人のニーズに応えるとしています。
今後の応用展開と6G時代を見据えた研究開発
ドコモは今後、本技術の高度化を進めるとともに、音楽ライブだけでなくスポーツ観戦やXR/ARグラスを活用した視聴体験などへの応用を検討する方針です。
また将来に向けて、多数のユーザーへ一人一人の嗜好に合わせた高品質な映像・音響体験を低遅延で配信することを見据え、6G時代に求められる大容量・低遅延通信を活用した研究開発を推進していくとしています。
本記事は株式会社NTTドコモの発表をもとに作成されています。
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