Appier、エージェント型AI活用の重要原則SCALEを発表
東京都港区に本社を置くAppier Group株式会社は、企業がエージェント型AIのビジネスインパクトを継続的に拡大していくための5つの重要原則「SCALE」を発表した。AI技術の活用が広がる一方で、営業利益への貢献や継続的な成果創出に課題を抱える企業が増加している状況に対応するものだ。同社は、実際の業務フローにおいてAIを効果的に運用し、成果へとつなげるための指針として本原則を提唱している。
背景にある企業のROI創出の課題
マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査「The state of AI in 2026: On the road to ROI」によると、年間売上高10億米ドル超の企業に所属する回答者の40%が、自社で1つ以上の業務部門においてAIエージェントの活用を拡大していると回答し、前年の27%から増加した。
一方で、AIが自社の営業利益に好影響をもたらしたと回答した割合は37%にとどまり、2025年からほぼ横ばいとなっている。企業がAIエージェントの活用を拡大するなか、具体的なビジネスインパクトをいかに示し、それを継続的に広げていくかが課題となっている。
5つの重要原則「SCALE」の内容
企業のAI活用が拡大するにつれ、その焦点を実際の業務フローの中でAIを運用し成果を拡大していくことへ移行する必要があると同社は指摘する。提唱された5つの重要原則は以下の通りである。
- Strategy (戦略) : 明確なビジネス目標と評価指標を設定する
- Calibration (自己評価) : 潜在的なリスクを考慮しながら、AIが自らの能力と確信度を評価できるようにする
- Adaptation (適応) : タスクの要件に応じて、必要となるモデルやエージェントを選択・連携させる
- Learning (学習) : コンテキストやフィードバック、過去の結果を活用し、今後の意思決定や行動を改善する
- Efficiency (効率) : パフォーマンスとリソース使用のバランスを取り、ビジネス価値を最大化する
各原則におけるアプローチ
Strategy (戦略) では、売上の拡大、顧客コンバージョンの向上、コスト削減、生産性の向上のいずれであっても、明確かつ測定可能な目標と評価基準を設ける。Calibration (自己評価) においては、業務環境でのわずかな誤りがビジネスに大きな影響を及ぼす可能性があるため、AIが自らの能力と確信度を評価し、業務フローの重要段階ごとに判断を評価してガードレールを設けることが求められる。
Adaptation (適応) では、タスクを最適なモデルへ振り分ける「モデル・ルーティング」や複数エージェントを協働させる「エージェント・オーケストレーション」などを用い、タスクに応じてモデルやエージェントを選択・連携させる。Learning (学習) では、フィードバックや過去の実行結果をもとに判断や行動を改善し続ける。Efficiency (効率) では、LLM (大規模言語モデル) の効率化とトークン最適化を通じ、計算資源を適切に割り当てて安定した成果を目指す。
研究開発と今後の運用方針
AppierはSCALEの考え方に沿って研究を推進し、AIの能力評価やリスク評価、情報が不十分な状況を認識して適切な推論言語を選択する技術などを自社製品に応用している。
Appier共同創業者 兼 代表取締役CEOのチハン・ユーは、「エージェント型AIがより多くの意思決定や行動を担うようになるなか、重要なのは、AIを高い信頼性のもとで効率的に運用することです」とコメントしている。
Appier Group株式会社の概要
- 設立: 2012年
- 本社: 東京都港区
- 代表者: 代表取締役CEO チハン・ユー
- 上場市場: 東証プライム: 4180
- 拠点展開: アジア太平洋地域、米国、欧州に17の拠点
本記事はAppier Group株式会社の発表をもとに作成されています。なお、本文中の調査データはマッキンゼー・アンド・カンパニーの公表情報に基づいています。
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