Synspective、UNDPのSDGs事業でジャマイカ対象パートナーに選定
小型SAR衛星の開発・運用や衛星データソリューションを提供する株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、国連開発計画(UNDP)が主催する「Japan SDGs Innovation Challenge」第6期において、ジャマイカを対象とするプロジェクトの日本企業パートナーに選定された。同社はUNDPジャマイカ・マルチカントリーオフィスと協働し、ポートランド・バイト保護区における海面上昇への適応と気候レジリエンスの強化に向けて、衛星データとAIを活用した沿岸モニタリングソリューションの開発と実証に取り組む。
内閣府拠出によるUNDP支援プログラムの背景
UNDPは2020年より、内閣府の拠出金を原資として「Japan SDGs Innovation Challenge」を実施している。同プログラムは、UNDPの各国事務所が特定した現地の課題に対し、日本企業と連携して解決策を共創する枠組みである。これまでに10の日本企業・団体が11か国でプロジェクトを実施してきた。
今年度は「海面上昇への対応」をテーマに4か国でプロジェクトが実施され、各国につき1社の日本企業が選定された。なお、UNDPから委託された一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)がプロジェクト推進を支援する。
対象となるポートランド・バイト保護区は、ジャマイカ南岸のセント・キャサリン教区とクラレンドン教区にまたがる同国最大の保護区である。区内のマングローブ林、湿地、藻場、サンゴ礁、沖合の小島は、沿岸災害に対する自然の防波堤として機能するとともに、地域の漁業や暮らしを支えている。
一方で、同地域は気候変動や沿岸災害の影響を非常に受けやすい状況にある。それにもかかわらず、既存のモニタリングは断片的で事後対応型にとどまっており、海岸線の変化や生態系の状態に関する長期的なデータも限られているという。
衛星データとAIによる沿岸モニタリングと現地連携
株式会社Synspectiveは、2つの機能を軸に衛星による沿岸モニタリングの仕組みを構築する。
- 沿岸域の生息環境マッピングと変化検出:SAR画像と光学衛星データを組み合わせ、AIによる画像分類を行うことで、マングローブ、砂浜、湿地、藻場、サンゴ礁の生息環境マップを作成する。異なる時期のマップを比較し、海岸線の移動、生態系の劣化、土地被覆の変化を定量化することで、脆弱性の高い地点や、保全・再生の優先エリアを特定する。
- 洪水・浸水域の迅速なマッピング:SARは雲を透過し、夜間でも観測できる特性を持つ。これにより、ハリケーンや高潮の発生後に浸水範囲や沿岸部の被害を迅速に把握でき、行政機関による対応の優先順位づけを支援する。
本プロジェクトでは、ジャマイカ国家環境計画庁(NEPA)、地方自治体、地域のパートナーと連携する。現地での検証やステークホルダーとの対話を通じて衛星情報と地域の知見を統合するほか、衛星観測依頼(タスキング)・解析ソリューションの研修も実施する。これにより、現地政府機関やパートナー自身が観測を依頼し、沿岸管理や災害対応に活用できる体制を目指す。
2027年2月までの実施と今後の展開
本プロジェクトは2027年2月まで実施する予定である。実証の完了後、関係者はこのモニタリング手法をジャマイカの他の沿岸地域やカリブ海地域全体へ展開することを検討する。あわせて、開発したツールを国の沿岸管理や計画策定のプロセスに組み込むことを目指す方針である。
株式会社Synspectiveは本協働を通じて、SDG 11(住み続けられるまちづくりを)、SDG 13(気候変動に具体的な対策を)、SDG 14(海の豊かさを守ろう)の達成に貢献していくとしている。
本記事は株式会社Synspectiveの発表をもとに作成。
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