両育わーるどと電通の難病者就労支援活動が2026年度グッドデザイン賞を受賞
NPO法人両育わーるどと株式会社電通が共同で取り組む「難病×はたらく」クリエイティブプロジェクトの活動『「RDワーカー」(働く難病者)という言葉・ロゴ・デザインを広め誰もが働きやすい社会を創る』が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2026年度グッドデザイン賞を受賞した。
審査においては、働く難病者に「RDワーカー(Rare Disease Worker)」という名前を与え、言葉で輪郭を与えて当事者と企業や社会の間で相互理解を促した点が評価された。
本活動は、「RDワーカー」(Rare Disease Workerの略)という言葉や概念、デザインを創り広めることを通して展開されている。社会の理解不足や制度の狭間で孤立する700万人(弊団体推計)の難病者が抱える社会参加・就労問題を課題として顕在化させ、難病者でも働ける・働きたいという想いを伝えることで、誰もが働きやすい社会の実現を目指している。
背景には、働きたくても働くことが思うように叶わない難病者の数が推定100万人におよぶ現状がある。体調が安定しないケースが多いものの働き方に理解と工夫があれば働ける人も多い点があまり知られていないことや、偏見への恐れから周囲に相談できず相互理解が進まない状況を改善するため、言葉とロゴが開発された。「RDワーカーが働きやすい社会は、誰にとっても働きやすい社会」という考えのもと、難病に限らず社会の潜在的可能性を引き出すことも視野に入れている。
開発の経緯と各地への広がり
2024年夏から約一年をかけ、難病当事者、支援者、医療者、コピーライターなどの有志メンバーが集まり、ヒアリングや打ち合わせを重ねて「RDワーカー」という言葉と象徴となるロゴデザインを制作した。「働きたい誰もが働きやすい社会へ」というメッセージとともに、多様で柔軟な働き方を示している。
言葉とロゴができたことで当事者が発信する一助となり、大手企業の社員が自身の難病を開示して語り始める動きも見られた。取り組みは様々なメディア多数で取り上げられ、山梨県、千葉県、東京都、港区、荒川区、北海道、山形県などの自治体において難病者採用が始まりつつあるとしている。
審査員の評価と関係者のコメント
審査委員会は、多様性を尊重する社会の広がりやテレワークの普及、医療の進歩や制度整備が進む一方で、難病者の就労率は依然として低く企業の理解や配慮が十分とはいえない状況を指摘した。そのうえで、「RDワーカー(Rare Disease Worker)」という言葉によって輪郭を与え、相互理解を促した点を評価し、今後の採用や職場づくりの現場で共通言語として広がることに期待を寄せた。
特定非営利活動法人両育わーるど理事長の重光喬之氏は、当事者が声を上げなければ社会は変わらないという現実に直面してきたと振り返り、「この取り組みを通じて、その可能性を社会に提案していきます」とコメントしている。
また、株式会社電通のクリエイティブディレクター/コピーライターである外崎郁美氏は、当事者へのヒアリングを通じて多くの視点に気づかされたとし、知ってもらう一歩を踏み出すことで社会が動き出すことへの期待感を示した。
2026年度グッドデザイン賞の選考結果
グッドデザイン賞は1957年に創設された制度を継承する、公益財団法人日本デザイン振興会主催の総合的なデザイン推奨制度である。
2026年度グッドデザイン賞は4月1日に募集が開始され、審査対象となった5,111件に対し、国内外のデザイン関連分野の第一人者で編成された審査委員会による二次にわたる審査が行われた。その結果、全1,484件の受賞が決定した。
団体の概要
- 名称:特定非営利活動法人両育わーるど
- 代表:理事長 重光喬之(難病者)
- 所在地:東京都渋谷区神南1丁目11-4 FPGリンクス神南5階
- 設立:2012年11月12日
- URL:https://ryoiku.org/
本記事は特定非営利活動法人両育わーるどの発表をもとに作成。


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