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【徳島大学】カレー粉成分クルクミンが大腸前がん病変の再発を抑制~全国26施設・約600人のランダム化比較試験を実施~

徳島大学、高吸収型クルクミンによる大きな大腸腺腫の発生リスク約44%低下を確認

CATEGORY: テクノロジー

国立大学法人徳島大学などは、カレーの黄色成分として知られるクルクミンについて、大腸腺腫(ポリープ)の再発抑制効果を世界で初めて大規模ランダム化比較試験で検証したと発表しました。

通常のクルクミンより吸収性を大幅に高めた高吸収型クルクミン「セラクルミン®」を2年間摂取した群では、内視鏡的摘除の対象となる6mm以上の大きな大腸腺腫の発生リスクが約44%低下し、副作用の増加も認められませんでした。本研究成果は、2026年8月28日に国際的な学術誌「The American Journal of Gastroenterology」にAccepted manuscriptとして公開され、2026年9月25日に徳島大学公式ホームページでも公開されています。

約600人を対象にした2年間の大規模試験

クルクミンはウコン(ターメリック)に含まれるポリフェノールで、抗酸化作用や抗炎症作用を持ち、基礎研究で発がん抑制作用が報告されていました。しかし、ヒトを対象とした大腸腫瘍に対する再発予防効果の大規模なランダム化比較試験はこれまで行われていませんでした。

本研究は全国26施設が参加し、大腸腺腫を内視鏡で摘除した約600人を対象に実施されました。対象者を「セラクルミン®」を摂取する群とプラセボ(有効成分を含まない対照食品)を摂取する群に無作為に割り付け、患者・医療者の双方がどちらを摂取しているか分からない二重盲検法で2年間投与しました。投与開始時に確認された腺腫を摘除し、2年後の内視鏡検査で新たに発生した腺腫を比較して効果と安全性を評価しています。

6mm以上の大きな腺腫リスクが約44%減少

2年間の投与後の検査において、主要評価項目である大腸腺腫全体の発生率にはクルクミン群とプラセボ群の間で有意な差は認められませんでした。一方で、内視鏡的摘除の対象となる6mm以上の大きな腺腫の発生率はプラセボ群の13.3%に対し、クルクミン群では7.5%と有意に低く、発生リスクは約44%減少しました(相対リスク0.56、95%信頼区間0.33–0.95)。

さらに、6mm以上の腺腫の発生個数もクルクミン群で有意に少なく、発生した腺腫全体の大きさも有意に小さいことが確認されました。これにより、クルクミンは腺腫の発生そのものを完全に防ぐというよりも、増大や進展を抑制する可能性が示されたとしています。有害事象(副作用)の発生頻度には両群間で差が認められず、2年間の長期投与における良好な安全性も確認されました。

高リスク患者に対する予防法としての可能性

過去に摘除された大腸腺腫の数が多い患者ほど、クルクミンによる再発抑制効果が高まる傾向も示されました。特に過去に6個以上の腺腫を摘除した患者では、2年後に4個以上の腺腫が発生するリスクがプラセボ群に比べて有意に低下した(リスク比0.40)ことから、腺腫を繰り返し発生する高リスク患者に対してより有効である可能性が示されています。

研究グループは、今後どのような患者に最も効果が期待できるかを明らかにするとともに、より長期間の追跡によって大腸がんそのものの発症予防につながるかを検証していくことが重要としています。

研究体制と論文情報

本研究の研究体制および論文の概要は以下の通りです。

  • 論文タイトル: Curcumin Suppresses Growth of Recurrent Colorectal Adenoma After Endoscopic Resection: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled,Multicenter Trial.
  • 雑誌名: The American Journal of Gastroenterology(DOI: 10.14309/ajg.0000000000004193.)
  • 著者名: Tetsuji Takayama, Koichi Okamoto, Hideki Ishikawa, Kaizo Kagemoto,Tatsuhisa Yasaka, Takashi Hisabe, Koichi Kawabe, Toyotaka Kasai,Masaya Kubota, Masahito Shimizu, Tomoyuki Abe, Jiro Nakamoto,Masahiko Nakasono, Sho Takahashi, Keita Harada, Shinji Kitamura,Hisashi Nakamura, Shinya Minami, Manabu Sawaya, Koshi Fujikawa, Toshihito Tanahashi, Shin-ichiro Hori, Tsutomu Nagata, Yasushi Sato,Michihiro Mutoh, J-CAP-C study group.
  • Corresponding author: Yasushi Sato and Tetsuji Takayama
  • 研究責任者: 髙山 哲治(徳島大学大学院医歯薬学研究部 特命教授)
  • 研究費: 農林水産省研究費16808863 武藤 倫弘(国立がん研究センター※/京都府立医科大学大学院医学研究科 分子標的予防医学 教授)※主たる管理・登録機関
  • 登録事務局: メディカルリサーチサポート 石川 秀樹 (京都府立医科大学 特任教授)
  • 高吸収クルクミン(セラクルミン®)の提供など: セラバリューズ株式会社

本記事は国立大学法人徳島大学の発表をもとに作成しました。

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