米TCCF、WWFジャパンの印旛沼流域水資源保全に75万ドル助成へ
米国のThe Coca-Cola Foundation(TCCF)は、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)が千葉県の印旛沼流域で行う水資源保全活動を支援するため、75万ドル(約1億2千万円)を助成した。日本コカ・コーラが発表した。
この助成金は、2026年11月から印旛沼流域で開始される、自然を活用した解決策(Nature-based Solutions:以下NbS)を用いたプロジェクトの運営および実施に充てられる。プロジェクト全体の総額は約147万ドルを見込んでおり、TCCFはそのうち75万ドルを3年間にわたり支援する。
都市化で課題抱える印旛沼流域の環境再生へ
利根川水系に位置する印旛沼流域は生活用水の水源としての役割を担う一方、江戸時代から治水事業が行われるなど洪水被害を受けてきた歴史がある(公益財団法人印旛沼環境基金「沼と流域の状況」第1章「印旛沼の歴史」より)。さらに急速な都市化や土地利用の変化に伴い、耕作放棄地や管理不足による放置林が増加している(千葉県印旛農業事務所・千葉県北部林業事務所『第7次 印旛地域農林業振興方針』、印旛沼流域水循環健全化会議『印旛沼流域水循環健全化計画 第3期行動計画』より)。
印旛沼流域水循環健全化会議の同計画によると、土壌の荒廃により雨水が地下に浸透しにくくなり、降雨時の地表流出の増加や湧水の減少、水質浄化や貯留機能の低下、生物多様性の低下といった問題が生じている。今回の取り組みでは放置林の再生を通じて生態系機能の回復を目指し、雨水の浸透や地下水涵養の促進、水資源保全と生物多様性の回復を図る。休耕田の再生や雨水浸透庭園(レインガーデン)の設置など多角的なNbSを展開し、地表流出の抑制と浸水リスク緩和など気候変動へのレジリエンス強化を目指す。
本プロジェクトでは主に以下の3つの活動が予定されている。
- NbSによる直接的な地下水涵養
流域内の優先地域で、管理放棄された森林の整備、放棄水田の湿地化、雨水を貯留・浸透させるレインガーデンの設置などの複合的な対策実施を目指す。自然の水循環機能の回復と地表流出の抑制を図ることで、地下水涵養の促進や生態系の回復、豪雨時の浸水リスク軽減など地域のレジリエンス向上への寄与を目指す。
- 流域コンソーシアムの設立とステークホルダーの巻き込み
周辺企業、自治体、金融機関、NGOなどを巻き込んだマルチステークホルダーによるコンソーシアムを設立し、流域全体での保全活動と地域のレジリエンスを将来にわたって支える持続可能な運営基盤の構築を目指す。
- 普及啓発と全国への波及
地域住民や関係者向けにセミナーやワークショップを定期開催する。プロジェクト最終年度には、全国の流域保全関係者が集う「全国流域サミット」を開催し、印旛沼をはじめ各地の知見や保全の重要性を全国に共有することで、取り組みが全国に広がることを目指す。
TCCFプレジデントのカルロス パゴガ 氏(Carlos Pagoaga)は、「自然を活用した解決策は、長期的なレジリエンスの構築に向けた水資源保全に欠かせません」と述べ、印旛沼流域でのプロジェクトが地域社会や産業を支え、日本の他の流域にとっても先進的な事例となることへの期待を寄せている。
団体概要
- 助成元:The Coca-Cola Foundation(TCCF)
設立:1984年 累計助成実績:18億米ドル以上 詳細URL:https://www.coca-colacompany.com/about-us/people-and-communities/the-coca-cola-foundation
- 支援先:公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
代表者:会長:末吉竹二郎 所在地:東京都港区 WWF設立:1961年(100カ国以上で活動) URL:https://www.wwf.or.jp
本記事は日本コカ・コーラの発表をもとに作成。一部データは公益財団法人印旛沼環境基金、千葉県印旛農業事務所・千葉県北部林業事務所、印旛沼流域水循環健全化会議の公表資料を参照。
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