暗号資産関連業務の委託先管理に関するWGを設立、委託先におけるセキュリティ対策について調査しプラクティス集を公表
JCBA、暗号資産業務の委託先管理プラクティス集のドラフト版を公表
CATEGORY: テクノロジー
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)のセキュリティ・システム部会は、暗号資産関連業務における委託先管理の高度化に関する調査・意見集約を目的とするワーキンググループ(WG)を設立しました。あわせて研究成果として、金融業界および暗号資産・ブロックチェーン業界の各種ガイドラインを委託先目線に翻案した「プラクティス集」を作成し、ドラフト版として公表しました。ウォレットなどの重要システム運用や鍵管理、トランザクション署名管理を対象としています。
取り組みの背景と公表の意義
暗号資産等取引業協会(JVCEA)が発出している「再発防止点検リストの考え方」などは、委託元である暗号資産交換業者向けに記載されています。今回のプラクティス集は、これらの要求に対し、システム提供者などの委託先が何をどう担うかを翻訳し、監査実務の標準語彙で一覧化したものです。委託元の評価負担軽減や委託先の自己点検・説明可能性の向上、当局や監査人を含めた共通基盤の形成を目指しています。
暗号資産業界では基幹システムの外部専門事業者への委託が定着する一方、委託先を標的としたサイバー攻撃や資産流出事案が発生しており、サプライチェーン全体の強靭化が求められています。また、従来の評価項目の不統一や、SOC2などの汎用的な第三者保証報告書では暗号資産固有の管理態勢を評価しきれない課題がありました。共通のプラクティス集を整備することで、評価や説明実務のコスト削減を図るとしています。
プラクティス集は、ガバナンスやBCPなどの一般的な情報セキュリティ管理領域に加え、暗号資産に特有の「D. 鍵管理・署名運用」を独立した大カテゴリとして設定し、AからJまでの全10領域の対応項目を整理しています。
委託先のサービス提供形態については、秘密鍵の保持有無やシステムへの影響範囲に応じて「保持型」「介在型」「供給型」「参照型」「その他」の5つに区分しました。また、自社の形態を選択することで必要な参照統制項目が一覧表示される「セルフアセスメントシート」と、提示すべき監査証跡を一元管理する「確認資料管理台帳」の付属Excelファイルも提供されます。
今後の運用と意見募集
公表された資料は「暗号資産関連業務の委託先管理におけるプラクティスについての研究報告資料」と「別紙-委託先管理におけるプラクティス集」の2点で、現在は試行版として公開されています。JCBAは、暗号資産交換業者やシステム事業者、監査法人などからの意見を募集し、今後のアップデートに反映させる方針です。
今後は、改正金融商品取引法の政省令やガイドラインの動向、サイバー脅威や規制環境の変化をモニタリングしながら改訂を行っていくとしています。
組織概要
- 団体名:一般社団法人 日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)
- 所在地:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル 12階
- 会長:廣末 紀之
- 設立:2016年3月
- 会員数:計158社(正会員:32社、準会員:106社、特別会員:4社、団体会員:16社 ※2026年10月時点)
- URL:https://cryptocurrency-association.org
本記事は一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会の発表をもとに作成されています。
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