JOYCLE、インドネシアBRIN傘下研究センターと医療廃棄物管理でMOU締結
小型アップサイクルプラント「JOYCLE BOX」を展開する株式会社JOYCLEは、2026年8月27日、インドネシア共和国 国家研究イノベーション庁(BRIN)傘下の環境・クリーン技術研究センター(PRTLTB)と覚書(MOU)を締結した。

締結内容は「インドネシアにおける分散型医療廃棄物管理技術とデジタルモニタリングの研究・イノベーション」に関するものである。同社はJOYCLE BOXの現地実証とIoTデータ基盤「JOYCLE BOARD」によるリアルタイムモニタリングを通じて、同国の医療廃棄物課題の解決と資源循環の社会実装を目指すとしている。
インドネシアでは、医療廃棄物の発生量が1日あたり約294.7トンに達する一方、認可を受けた処理事業者の処理能力は同約187.9トンにとどまり、発生量に対して処理能力が不足している。処理施設はジャワ島に集中しており、島嶼部や遠隔地域における適切な処理体制の整備が課題とされている。
多数の島々からなる同国において、廃棄物を長距離輸送して大型施設で集中処理する従来型モデルには輸送距離やコストの制約があることから、株式会社JOYCLEは廃棄物を「運ばず、燃やさず」発生源で資源化する分散型インフラが静脈インフラの制約を補完し得ると考えている。
共同研究の活動内容と両者の役割
共同研究は、バンテン州南タンゲラン市のB.J.ハビビ・サイエンステクノロジーパークにあるBRINの研究施設で実施される。主な研究活動には以下の項目が含まれる。
- JOYCLE BOX実機へのIoTセンサー設置による、温度・酸素濃度・排出ガス推定値等のリアルタイムモニタリング
- 稼働データのインドネシア環境基準(PP No. 22 Tahun 2021)への適合性評価
- 医療機関の廃棄物フローを対象とした運用リスク分析(病原性微生物の分解率99.99%以上の確認を含む)
- 処理後に残る無機資源(炭素残渣)の建材等へのアップサイクル可能性の評価
- 島嶼・遠隔地域における医療廃棄物対策に関する政策提言書(ポリシーブリーフ)の作成
役割分担として、PRTLTB(BRIN)は技術検証、排出ガス監査、国内規制への適合性分析、試験手法の開発、学術論文および政策提言の作成を担当する。株式会社JOYCLEはJOYCLE BOX実機の提供、現地実証の主導、JOYCLE BOARDによる研究データ取得環境の提供、現地オペレーター向けの技術指導や運用マニュアルの整備を担う。
今後の展望と海外展開
株式会社JOYCLEは、本共同研究の実施計画書における試算値として従来手法に対して30〜50%のコスト削減余地を見込んでおり、実証を通じて安全で環境価値が高く、コスト面でも優位性のある医療廃棄物の資源化ソリューションの確立を目指す方針である。

株式会社JOYCLE代表の小柳 裕太郎氏は、国家研究機関であるBRINの科学的な検証力を通じ、日本の離島や医療現場で培った分散型の資源化モデルが現地基準と現場で通用することをデータで実証し、新たなインフラ創出を進める意向を示している。
同社にとって本件は、2026年3月にベトナムでLoopNet Asia社と資源循環実証に向けたMOUを締結した件に続く東南アジアでの取り組みとなる。国内では離島や寒冷地、医療分野で実証実績を重ねており、岡山大学との災害時医療廃棄物における滅菌検証などを実施してきた。
関係機関の概要
インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)は、2021年に設立されたインドネシア大統領直轄の国家研究機関である。傘下の環境・クリーン技術研究センター(PRTLTB)が環境技術・クリーン技術分野の研究を担当する。
- 所在地:B.J. Habibie Science and Technology Park, South Tangerang, Indonesia
- URL:https://www.brin.go.id/
株式会社JOYCLEは、小柳 裕太郎氏が代表を務め、通信インフラ、再生可能エネルギー、資源循環を融合した分散インフラの社会実装を推進している。
- 東京本社:〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目2-1 住友不動産虎ノ門タワー5F ANOBASHO内
- 名古屋本社:〒466-0064 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目2-32 STATION Ai内
- 沖縄本社:〒900-0013 沖縄県那覇市牧志2丁目17-27 401号
- 事業内容:小型アップサイクルプラントに特化したコンサルティング・データプラットフォームサービスの提供
- URL:https://joycle.net/
本記事は株式会社JOYCLEの発表をもとに作成。なお、医療廃棄物の発生量(1日あたり294.66トン)および認可処理事業者の処理能力(同187.90トン)の数値は、共同研究実施計画書に引用されたインドネシア保健省(Kementerian Kesehatan)の集計値に基づく。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



