デジタルゴールド市場の潜在需要は最大7000億ドル、WGCとBCGが調査公表
ワールド・ゴールド・カウンシルとボストン コンサルティング グループによる新たな調査で、現在450億~550億米ドル規模のデジタルゴールド市場に最大7,000億米ドルの潜在需要が存在する可能性が示されました。調査によると、回答者の9割近くが条件が整えば投資を検討すると回答しており、個人投資家の未開拓な需要が大きいことが明らかになっています。報告書『Digital Gold: Unlocking a US$700bn Opportunity』は、ラスベガスで開催された国際カンファレンス「Money20/20 USA」で公開されました。
2031年までに最大2800億ドル規模への拡大余地
7,000億米ドルという市場機会は、普及の阻害要因が解消された場合に顕在化し得る潜在需要の総額を推計したもので、短期的な予測ではありません。今後5年間の基本シナリオでは年率約27%のペースで成長し、2031年までに1,600億~1,700億米ドルに達すると見込んでいます。また、阻害要因の解消が早期に進んだ場合は、同期間中に2,700億~2,800億米ドルまで拡大する可能性があるとしています。
デジタルゴールド市場の一分野であるトークン化された金(ゴールド・トークン)は、2024年後半以降に市場規模が5倍の約60億米ドルに達しました。ゴールド・トークンのスポット取引累計高は、2026年第1四半期だけで900億米ドルを超え、2025年通年の取引高を上回っています。
普及への課題は信頼やアクセスなど4点
デジタルゴールドの普及を妨げる要因として、信頼、アクセス、利便性、コストの4点が挙げられており、中でも信頼が決定的な要素とされています。投資家が求める条件としては、消費者保護の強化、裏付け資産の存在に対する透明性、償還の容易さ、より明確な規制が示されました。
また、中国、インド、インドネシアのように、スーパーアプリや決済プラットフォーム、銀行アプリを通じて提供されている地域では、保有する投資家の割合が市場の成熟度が低い地域に比べて最大7倍に達しており、アクセスの改善も課題となっています。
新規投資家を取り込み金市場全体の拡大へ
潜在需要の約65%は金を所有していない層に存在しており、阻害要因が解消されれば金市場全体の拡大につながると見込まれています。現在デジタルゴールドに投資している人の52%は購入前まで金を保有しておらず、そのうち92%がその後に他の形態の金も購入しています。基本シナリオでは、既存商品からの移動を考慮しても、2031年までに約950億米ドルの新たな金需要が生まれる見込みです。
年代別の認知度では、25~34歳で50%に達する一方、55歳以上では23%となっており、若年層が需要を牽引する構図が示されています。
ワールド・ゴールド・カウンシルのディビッド・テイト チーフ・エグゼクティブ・オフィサーは、需要拡大にはインフラが不可欠であるとしたうえで、「流動性が高く、信頼される市場を構築するには、業界全体が共通の基準に沿って行動することで、投資家は購入する商品に確信を持てるようになります」とコメントしています。ボストン コンサルティング グループのマネージング・ディレクター兼パートナーであるウルス・ラーネ氏も、物理的な性質ゆえに金が最も信頼性の高いデジタル資産になり得ると言及しました。
発表機関の概要
- ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC): 戦略的資産として金が果たす役割を広め、責任ある形で開かれた金のサプライチェーン構築を目指す会員組織
- ボストン コンサルティング グループ(BCG): 60年以上の実績を持ち、戦略とAI活用の知見を組み合わせてクライアントを支援する経営コンサルティングファーム
本レポート(英語)は、以下のURLで公開されています。 https://www.gold.org/goldhub/research/digital-gold-market-report
本記事はワールド・ゴールド・カウンシルとボストン コンサルティング グループの発表をもとに作成されました。
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