セーブ・ザ・チルドレン、就学費用実態調査と教育費支援拡充の提言を発表
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは10月19日、経済的や生活上の困難がある子育て世帯を対象とした中学・高校の就学費用負担に関する実態調査結果と、教育費支援の拡充などを求める提言をまとめた報告書を発表しました。
調査によると、授業料を支援する高等学校等就学支援金制度の改正後も授業料以外の費用が進路選択に影響しており、私立高校における授業料以外の教育費増や購入品の負担が家計を圧迫している実態が明らかになりました。同団体は調査結果をもとに、授業料以外の費用に対する経済的支援の拡充や学用品の備品化(学校への備え付け化)などをまとめた提言書を、文部科学省をはじめとした関係省庁に提出します。
私立高校の教育費増や学用品の購入負担が判明
2026年5~6月に実施された調査では、私立高校に進学した高校1年生の保護者への質問において、入学金や学校納付金などほぼすべての項目で2025年調査より増額していたことが分かりました。特に「学校納付金」は2025年の約2倍となっており、授業料の負担が軽減された一方で、授業料以外の負担が増えている現状が示されています。
また、中学・高校の入学時に学校指定の制服や運動着を個人で購入するよう求められた割合が高いほか、小学校入学から現在に至るまでに絵の具セット、書道セット、裁縫セットなどを購入した経験がある世帯が8割を超えました。
学校に備え付けにした方がよいものとして、保護者と中高生の双方が6割以上「パソコン・タブレット」を選択しました。
さらに、「高校無償化」による進路選択への影響について高校1年生にたずねたところ、「結局授業料以外の出費があると思ったため、私立は選択肢に入れられなかった」という回答が27.0%で最多となりました。


セーブ・ザ・チルドレンは調査結果を受け、政府、関係省庁、自治体に対して以下の5点を提言しています。
- 就学援助や高校生等奨学給付金など、授業料以外の費用に対する経済的支援の拡充
- 学用品の備品化(学校への備え付け化)、購入品の選択肢の拡大、私費負担は援助額内に
- 高校入学前の準備金の創設
- 高校のパソコン・タブレットの無償貸与・補助の都道府県ごとの実態把握と地域差のない支援
- 私立高校の授業料以外の教育費の実態把握と対応策の検討
調査の概要
「経済的に困難な子育て世帯の中学・高校の就学費用負担に関する実態調査」の概要は以下の通りです。
- 調査対象:セーブ・ザ・チルドレンが実施した「子ども給付金 ~新入学サポート 2026~」、「子ども給付金 ~高 校生活まなびサポート~」利用世帯
- 調査方法:利用世帯に対し、オンラインアンケートを案内し任意回答
- 調査期間:2026年5月27日~6月12日
- 有効回答数:保護者425人(大半がひとり親世帯・女性、全国45都道府県)、中高生 125人
- 調査協力:千葉大学 白川優治教授(講評、専門:教育社会学)、千葉工業大学 福嶋尚子准教授(調査票・報告書への助言、講評、専門:教育行政学)
- 報告書URL:https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/report-shinnyugaku_riyo2026.pdf
本記事は公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの発表をもとに作成しました。
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