住友商事と阪急電鉄、マニラの都市鉄道LRT1号線で回生電力活用の省エネ実証へ
住友商事株式会社と阪急電鉄株式会社は、Light Rail Manila Corporation(LRMC)と共同で、フィリピン・マニラ首都圏の都市鉄道LRT1号線において省エネ化実証事業を実施します。電車の減速時に発生する回生電力のうち、余剰となっていた電力を有効活用する取り組みで、環境省の補助金事業に採択されました。未利用となっている回生電力の約半数を活用することを目指します。
マニラ首都圏はASEAN諸国の中でも最も渋滞が深刻な都市の一つとされており、公共交通網の整備を喫緊の課題として新規路線を含む鉄道インフラの整備が進められています。一方、フィリピンでは燃料価格や電力供給構造などを背景に電力単価がASEAN諸国の中でも比較的高い水準にあり、都市鉄道においては運行に伴う電力消費削減が重要な課題となっています。本実証事業は、阪急電鉄が受託したJICA技術協力を通じて得られた、LRT1号線の省エネルギー化推進に向けた実測・分析結果に基づくもので、年間多くの回生電力が活用されず失われていることが確認されていました。
駅設備への電力供給装置を導入し約半数の再利用を目指す
省エネルギー性能の高い電車は、減速時に生じる運動エネルギーを回生電力として変換し、架線を通じて他の電車を走行させる電力として再利用します。しかし、周囲に利用する電車がない場合などは電力が余剰となり、再利用できないケースがあります。そこで今回の実証事業では、余剰となった回生電力を駅設備に供給する装置を導入します。あわせて変電所における送出電圧の最適化や車両制御ソフトウェアの改修を組み合わせることで、失われる回生電力を低減し、路線全体の電力消費削減を図ります。これにより、現在失われている回生電力の約半数を活用できる見込みです。

各社の役割と東南アジア地域への展開
実証事業において、住友商事は機器の提供およびプロジェクト全体の取りまとめを担い、阪急電鉄は培ってきた鉄道運営・保守の知見を活用して省エネルギー施策の導入と効果検証に関する技術支援を担当します。電力消費削減によって確保した資金は、駅や車両サービスの改善など利用者の利便性向上に向けた取り組みに再投資し、モーダルシフトの促進や交通渋滞の緩和につなげます。両社は得られる成果をもとに、同様の課題を抱える東南アジア地域への展開も視野に入れ、持続可能な都市交通の実現に取り組む方針です。
採択事業の概要
- 事業名:令和8年度から令和9年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業)
- 実施主体:住友商事株式会社、阪急電鉄株式会社、Light Rail Manila Corporation
- 対象路線:フィリピン・マニラ首都圏 LRT1号線
本記事は阪急阪神ホールディングスの発表をもとに作成しました。
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