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奈良で鹿との共存探るシンポジウム開催 過去最多1,687頭の課題を議論

株式会社ワールド・ヘリテイジ、株式会社学びの旅、奈良教育大学ESD・SDGsセンターは2026年9月26日(土)、奈良教育大学にてシンポジウム「ネイチャーポジティブシティー奈良 ~歴史・景観・学びを未来へつなぐシンポジウム~」を開催しました。2026年7月の調査で奈良の鹿が過去最多の1,687頭を記録するなか、有識者らが登壇し、人と鹿の共存や地域課題について市民とともに議論しました。当日は255名が来場し、アンケート回答者の94.3%が「ネイチャーポジティブをもっと知りたい」と回答しています。

過去最多の1,687頭を記録した奈良の鹿と直面する課題

奈良公園の鹿は、一般財団法人奈良の鹿愛護会による2026年7月の調査で過去最多の1,687頭(前年比222頭増)が確認されました。生活圏や通学路への出没、住宅街の「ミニ奈良公園化」、農作物や下草への被害など、課題が多様化しています。

本シンポジウムは、奈良公園の鹿や春日山原始林、世界遺産「古都奈良の文化財」を取り巻く現状や課題を広く共有し、自然、景観、観光、地域社会を含む総合的な視点から将来像を考える契機として企画されました。

有識者が語る1300年の共生史と景観保全の現在地

当日は司会を含め13名が登壇し、宮下 俊也氏(奈良教育大学 学長)と川井 徳子氏(株式会社学びの旅 代表取締役)の挨拶で開幕しました。基調講演では奈良文化財研究所 所長の本中 眞氏が、世界遺産「古都奈良の文化財」を人々の営みと一体となった文化的景観として捉え、奈良公園や春日山原始林を「自然と人間の共同作品」と位置づけました。

続いて行われたパネルディスカッションでは、奈良教育大学 特任教授の中澤 静男氏がモデレーターを務めました。奈良市美術館 主任学芸員の説田 晃大氏が写真資料をもとに景観の変遷を紹介し、奈良県観光局奈良公園室 主幹の奥田 篤氏が景観保全や植生管理、外来種対策について説明しました。また、一般財団法人奈良の鹿愛護会 副会長の中西 康博氏は、年間2,691件に及ぶ保護や事故・苦情対応の実績とともに住宅地への出没といった課題を報告しました。

さらに、春日山原始林を未来へつなぐ会 事務局長の杉山 拓次氏が植生への影響と市民参加による保全活動の現状を訴え、奈良教育大学 教授の渡邉 伸一氏は「かつてのような上からの権力によってではなく、民主社会の中でこの共生をどう維持できるかが今試されている」と提起しました。奈良女子高等学校 教諭の新宮 済氏による高校生の探究学習事例の発表を受け、奈良市教育委員会 研修係長の三木 恵介氏が指定討論を行いました。総括では、及川 幸彦氏(奈良教育大学ESD・SDGsセンター長)が、各立場でできることから行動を起こす重要性を呼びかけました。

参加者の94.3%がネイチャーポジティブへの関心示す

来場者255名のうち、アンケート回答者の約65%が奈良市・奈良県内在住で、年代は10代から60代以上と幅広い層が参加しました。

ネイチャーポジティブについて、参加前に「名称・考え方とも知らなかった」と答えた人は54.7%(有効回答53件中29件)でしたが、参加後には94.3%(同50件)が「もっと知りたい」と回答しました。パネルディスカッションを「理解できた」以上と答えた人は94.3%(同50件)に上り、今後の市民参加企画に「参加したい」と答えた人は69.8%(同37件)となっています。

奈良県奈良市に本社を置く株式会社ワールド・ヘリテイジは、文化や自然を次世代へ受け渡す観光を推進しています。代表取締役の東 正教氏は、今回の議論を観光事業者として自身の事業に還していく姿勢を示しています。同社は2026年6月に奈良教育大学ESD・SDGsセンターのネーミングライツを取得し、「World Heritage ESD・SDGsセンター」として運営しています。

  • 株式会社ワールド・ヘリテイジ:2000年より宿泊・観光施設を運営。2026年4月1日に株式会社奈良ロイヤルホテルを吸収合併(公式WEBサイト:https://www.worldheritage.co.jp/)
  • 株式会社学びの旅:2025年3月設立。「奈良SDGs学び旅」の運営・販売を担う(公式WEBサイト:https://nara-manabitabi.com/)

本記事は株式会社ワールド・ヘリテイジの発表をもとに作成。

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