Dellows News

スペースデータ、SpaceBrainに宇宙天気の物理シミュレーション3種を追加

株式会社スペースデータは、同社が開発する宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」に、太陽活動に伴う宇宙環境の変化「宇宙天気」を扱う物理シミュレーションデモ3種を追加した。公式プロダクトサイト「SpaceBrain Product Catalog」の「ソリューション一覧」(宇宙領域)に掲載されている。操作可能なデモは、問い合わせを行った利用者に個別で案内される。

追加された3種の物理シミュレーションデモ

追加されたデモは「StormMemory Lab」「Magnetosphere Gate」「CME Arrival Ensemble」の3種類で、学術論文のモデルを用いて条件の違いによる変化を比較できる。

「StormMemory Lab」は、2024年5月の磁気嵐時と平常時における大気密度の変化が、低軌道衛星の抗力や軌道に及ぼす影響を比較するデモである。一般公開されている過去データに基づく事後再計算で、初期高度400km、面積質量比0.010m²/kgの仮想衛星による初期設定では、4日後(2024年5月14日0時、協定世界時)に平均高度が約1.1km低くなり、進行方向の位置が約350km離れる計算結果を示す。

「Magnetosphere Gate」は、太陽風の圧力(0.5〜30nPa)と磁場の南北方向成分(−20〜+20nT)の操作を通じ、地球の磁気圏境界の変形を確かめる合成入力の比較実験デモである。圧力変化と磁場向きの効果を分けて確認できる。

「CME Arrival Ensemble」は、コロナ質量放出(CME)が地球へ届くまでの到達時間をシミュレーションするデモである。初期速度や背景の太陽風の速度、抗力係数を連動して設定し、入力を少しずつ変えた128通りの計算を行うことで、到達時間の分布をアニメーションで表示する。

研究・教育用プロトタイプとしての位置づけと特徴

各デモは学術論文のモデルをもとに株式会社スペースデータが独自に作成したもので、論文の著者や研究機関との共同開発や公認を示すものではない。画面構成は共通化されており、計算結果はCSV形式で書き出すことが可能となっている。

これらは現在の宇宙天気の予報や実際の衛星運用判断を目的としたものではなく、研究・教育用のプロトタイプとして提供される。そのため、各デモ画面には参考論文、計算条件、モデルの適用範囲や限界が明記されている。画面に用いられている地球の画像には、NASA / Reto Stöckliの「Blue Marble」が採用されている。

宇宙環境解析の重要性と今後の展望

宇宙天気の把握について、株式会社スペースデータでCSOを務める惑星科学者の兵頭龍樹は、通信や測位などの社会インフラへの影響から重要性が増すとし、「これまで物理現象の研究で培ってきた知見を活かし、物理モデルとAIによるサロゲートモデルを組み合わせることで、宇宙環境をリアルタイムに解析し、さらに個々の人工衛星への影響まで評価できる、高精度な宇宙天気サービスの実現を目指していきます」としている。

株式会社スペースデータは今後も、宇宙天気をはじめとするSpaceBrainで扱う宇宙現象について、仕組みを物理シミュレーションで確かめられるデモの拡充を進める方針である。

株式会社スペースデータの概要

  • 社名:株式会社スペースデータ
  • 代表:佐藤航陽
  • 所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
  • 資本金:15億1300万円
  • 事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
  • HP:https://spacedata.jp

本記事は株式会社スペースデータの発表をもとに作成されています。

アクセスランキング

今日

1週間