AI導入による人員削減の決定を撤回した組織は67.6% SThree調査
人材コンサルティングのSThreeがYouGovの調査をもとに発表した「STEM Workforce Report 2026」によると、AI導入に伴う人員削減が行われた組織に所属する日本のSTEM人材の67.6%が、その決定の少なくとも一部が撤回されたと回答しました。今後撤回される予定であるとした18.1%を合わせると、割合は85.7%に達します。この調査は、AIの導入と並行して必要な人材を見直すことの重要性を示しています。
AI導入に伴う人員削減の撤回状況
日本国内のSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)分野に従事する成人労働者794人を対象とした調査において、13.2%にあたる105人が「過去12カ月間に所属組織でAI導入に直接関連した人員削減が行われた」と回答しました。
この105人を対象にその後の対応を尋ねたところ、67.6%が決定の少なくとも一部が撤回されたとし、18.1%が今後撤回される予定だと答えました。なお、撤回には人材の再雇用や廃止したポジションの再設置などが含まれる場合があります。
生産性向上の一方で検証や修正の負担が増加
業務でAIを利用している592人のうち、64.9%が「2年前と比べてAIによってチームの生産性が向上した」と回答しました。
一方で、全回答者794人のうち39.4%がAIが生成した成果物の検証や確認に費やす時間が2年前から増加したと回答し、35.4%が修正や手直しに費やす時間が増加したと答えています。AIが生成した成果物の品質を評価し見極めるためには専門知識が求められる現状がうかがえます。
技術人材の不足とプロジェクトへの影響
全回答者794人を対象に、過去12カ月間に所属組織で経験・確認した事象について尋ねた項目では、以下の結果が明らかになりました。
- 所属組織において、退職した技術人材の補充が困難な状況が生じた(46.6%)
- 未補充のポジションがあることで業務負担が増加した(41.2%)
- 技術関連のスキル不足によりプロジェクトが遅延または中止になった(31.0%)
また、今後2年間を見据えた際、自社にとって最も重要な技術人材の定着が困難になることを「重大」または「中程度」のリスクと捉えている回答者は51.6%を占めました。
専門性への継続的な投資が不可欠
SThree Japanのマネージング・ディレクターであるChristopher Reillyは、AI導入に伴い人員に関する決定の一部を見直す組織がある一方で技術人材の補充は困難な状況が続いているとし、「AIの導入と人材育成に一体的に取り組むことで、企業は業務の質を維持しながら、変化するスキルニーズに対応することができます」と指摘しています。
調査および発表組織の概要
- 調査対象:日本でSTEM分野に従事する成人794人(AI導入に伴う人員削減の撤回に関する質問は、過去12カ月間にAI導入に伴う人員削減が行われたと回答した105人が対象。生産性に関する質問は業務でAIを利用している592人が対象)
- 調査期間:2026年7月15日から8月24日
- 調査方法:SThreeの委託によりYouGov Plcがオンラインで実施(個々の回答者による所属組織についての回答を集計したもので、794社の企業を個別に調査したものではない。割合は小数点以下第1位に四捨五入)
- 発表組織:SThree plc(STEM分野の人材コンサルティング会社。世界11カ国に専門チームを配置)
- 問い合わせ先:SThree広報代理(CDR内) Email: sthree_jp@citigatedewerogerson.com
本記事はSThreeの発表(調査機関:YouGov)をもとに作成しました。
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