「見つける」から「決める」へ。QuantumCore、異常検知・劣化診断の“その先”を担う組合せ最適化ソフト「QUBO Studio」提供開始
QuantumCore、組合せ最適化ソフト「QUBO Studio」を提供開始へ
CATEGORY: テクノロジー
リザバーコンピューティングによるエッジAIを手がける株式会社QuantumCoreは、組合せ最適化ソフトウェア「QUBO Studio」の提供を開始します。異常や劣化を検知した後の計画づくりを支えるソフトウェアで、点検・補修、配送、シフト作成などの計画を業務の言葉や表データから最適化し、判断の根拠とともに提示します。同社のエッジAIによる検知・診断結果を計画の条件として取り込むことも可能です。
経験頼みの計画づくりを最適化技術で支援
異常や劣化を見つける技術が身近になる一方、検知後に誰がいつどう手を打つかを決める業務は、依然として担当者の経験や表計算に頼る場面が多く見られます。訪問先が20か所の場合でも移動順の組み合わせは約243京通りにのぼるなど、予算や人員、期限といった制約が絡むことで最善の計画選定やその理由付けは難しさを増します。さらに、国土交通省の公表情報によると2040年には道路橋の約75%、下水道管渠の約34%が建設後50年以上になる見込みとなっており、インフラの老朽化が進む中で限られた予算と担い手を最適に配分する重要性が高まっています。

課題をモデル化し根拠ある計画を導く「QUBO Studio」の流れ

QUBO Studioは、業務課題をQUBO形式の最適化モデルに変換し、実行可能な計画候補を比較・選定できるように設計されています。利用の流れは大きく4つのステップで構成されます。


- 言葉で伝える:自然言語での課題入力やCSV、Excel、JSON形式の表データ取り込みを行い、テンプレートやウィザードを使って目的と制約を整理します。
- 条件を設計する:変数や目的関数、制約条件を画面上で確認しながら重みやペナルティを調整し、数式やQUBO行列のヒートマップで反映状況を確かめます。
- 解を探索する:古典ソルバーや量子アニーリングなど4系統のソルバーから選択、または規模に応じた自動選択を行い、計算時間や探索回数を設定して解を探索します。
- 比べて決める:KPIや地図、ガントチャート、配置図で結果を把握し、予算重視や安全重視などのシナリオを比較します。パレート図や感度分析で選択根拠を残し、各種形式で共有できます。

一度作成した一連の流れはノーコードのワークフローとして保存でき、権限設定によるチームでの検討にも対応します。



同社製エッジAIとの連携機能も備えています。約10秒の正常データからデバイス上で学習する異常検知デバイスや、押し当てるだけで判定を行うコンクリート劣化診断デバイスの検知結果を、そのまま計画の制約条件として取り込めます。生データはデバイス側で処理するため、検知結果のみをQUBO Studioへ渡す構成が可能です。
さらに、設計したモデルをマイコン組み込み向けの最適化コア「BOLT-QZ」(関連技術を特許出願中)に組み込むことで、現場機器でのローカルな候補解探索に対応します。これにより、全体計画を描くだけでなく、現場の変化に合わせてエッジ側で計画を描き直す循環を作ることができます。

多彩な業務テンプレートと柔軟な提供形態
インフラ点検・補修計画や配送ルート最適化、シフト作成・人員配置、ごみ収集計画、基板配置・配線候補の探索、ファン・モータの運転条件比較など、13の業務テンプレートと1つのベンチマークを備えています。
提供形態はSaaSとオンプレミス型のAI Boxを想定しており、外部接続を行わない構成にすることでデータを社外に出さずに運用することも可能です。
代表取締役CEOの秋吉 信吾氏は、「検知・状態推定・最適化をひとつの流れにつなぎ、限られた人と予算で社会インフラや現場を支える方々の判断を、より速く、より納得できるものにしていきます」とコメントしています。今後はインフラ維持管理、製造、物流、エネルギーの各分野への提案を進めるとともに、BOLT-QZの実装検証やテンプレートの拡充を推進する方針です。
株式会社QuantumCore 会社概要
- 会社名:株式会社QuantumCore(QuantumCore Inc.)
- 所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田2丁目14-13
- 設立:2018年4月24日
- 代表者:代表取締役CEO 秋吉 信吾
- 事業内容:リザバーコンピューティングを用いた次世代時系列処理プラットフォーム技術の開発、提供、導入支援
- URL:https://www.qcore.co.jp/
本記事は株式会社QuantumCoreの発表をもとに作成されています。また、本文中のインフラ老朽化に関する見通しは国土交通省「社会資本の老朽化の現状と将来」のデータに基づいています。
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