Spiberの人工構造タンパク質繊維がミラノのS|STYLEで採用
山形県鶴岡市に本社を置くバイオベンチャーのSpiber株式会社が開発するプロテイン繊維「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン™)ファイバー」が、ミラノで開催された展示会「S|STYLE 2026 – Wardrobe Edition」において、2名のデザイナーの作品に採用されました。本イベントは、ミラノ・ファッションウィーク期間中の2026年9月25日から26日にかけて、ミラノのKering Italy本社にて行われました。KeringのMaterial Innovation Lab(MIL)との協働により実施されています。
革新的な素材に焦点を当てたS|STYLE 2026
ジャーナリストやキュレーターなどを務めるGiorgia Cantarini氏が企画・キュレーションを手がけた今回のS|STYLEには、世界各国から10名のデザイナーが参加しました。衣服、バッグ、フットウェア、アクセサリーを通じて現代のワードローブを再解釈することをテーマに掲げ、特にレザー以外の革新的な素材に焦点を当てています。参加デザイナーは、Kering MILのサポートのもとで素材を起点とするクリエイティブプロセスを通じ、専門領域を超えた新たなカテゴリーへの挑戦や次世代素材の可能性の探求を行いました。
2名のデザイナーによるBrewed Protein™ファイバー採用作品
今回の展示会では、Srushti Patil氏およびQuine Li氏の作品にBrewed Protein™ファイバーが用いられました。

Srushti Patil氏は、100% Brewed Protein™ステープルファイバーからなるスライバーを、Taroniのシルク生地とともに使用して作品を制作しました。
Quine Li氏は、Bower Roebuckが開発した生地を採用しました。この生地には、Kering Standards for Sustainable Productionに沿った再生型農業の取り組みに由来するウールと、Brewed Protein™繊維が混紡されています。
Brewed Protein™ファイバーの特徴と今後の展望
Brewed Protein™ファイバーは、植物由来の原料をもとに精密発酵技術を用いて生産されるプロテイン繊維です。Spiberは自然界に存在する多様なタンパク質に着想を得て、分子レベルで設計を行うことで、用途に応じたさまざまな特性を持つ素材の開発を進めています。
植物由来の原料と精密発酵プロセスにより、動物由来原料を使用しないことが特徴です。Spiberが2024~2025年の実測生産データを用いて実施した、原料調達から工場出荷まで(cradle-to-gate)を対象とするライフサイクルアセスメント(LCA)に基づくと、カシミヤと比較して温室効果ガス排出量、土地利用、水利用を大幅に削減できる可能性があるとしています(ISO 14040/14044に準拠、第三者専門家によるクリティカルレビュー済み)。
Spiberは、素材開発者やテキスタイルメーカー、デザイナーといった異なる分野の専門家との協働が素材の普及と活用に重要であるとし、今後も世界各地のデザイナーやメーカーとのパートナーシップを通じて、Brewed Protein™ファイバーの創造的・機能的な可能性をさらに広げていく方針です。
関連組織の概要
- 発表元企業: Spiber株式会社(2007年設立、山形県鶴岡市)
- 公式サイト: https://spiber.inc
- 展示企画プラットフォーム: S|STYLE(2020年にGiorgia Cantarini氏が設立)
- 協力研究拠点: Kering Material Innovation Lab(MIL)(2013年にミラノで設立)
本記事はSpiber株式会社の発表をもとに作成されています。
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