羽田空港でのSAF供給に向け基本合意

日本空港ビルデングとユーグレナは、羽田空港におけるエアラインへのSAF(持続可能な航空燃料)供給および販売の実現に向けた基本合意書を締結した。両社は、SAFを羽田空港で供給するためのサプライチェーン構築と、エアラインに対するSAF供給・販売の事業化を共同で検討する。

日本政府が掲げる「2030年のSAF供給目標量を航空燃料消費量の10%」とする方針に基づき、羽田空港の2022年航空燃料供給実績に当てはめると、年間約22万KLのSAFが必要となる。両社は協力して、日本拠点でのSAF供給を希望するエアラインに対し、必要量の約23%に相当する最大5万KLのSAFを供給できる体制の構築を目指す。

また、日本空港ビルデングはユーグレナが発行する第1回無担保普通社債(グリーンボンド)を引き受ける。このグリーンボンドは、格付投資情報センター(R&I)より、国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則2021」および環境省の「グリーンボンドガイドライン2022年版」に則った資金調達である旨のセカンドパーティーオピニオンを取得している。

日本空港ビルデングの鷹城勲代表取締役会長兼CEOは、「気候変動への対策」を重要課題の一つとして掲げ、2030年度のCO2排出量を2013年度対比46%削減、2050年のネットゼロ実現に向けて取り組んでいると述べた。ユーグレナの出雲充代表取締役社長は、日本空港ビルデングとのSAF領域での連携が、SDGs7番「クリーンなエネルギーの供給」とSDGs13番「気候変動への具体的な対策」を体現できるものと考えており、「Sustainability First」の実現に向けた大きな一歩になると期待を示した。

両社の取り組みは、航空・空港分野における脱炭素化の推進と、羽田空港を含む日本の空港の国際競争力向上に貢献することが期待される。