教師を追い詰める現実、朝日新聞連載「いま先生は」が書籍化
朝日新聞取材班による新刊『何が教師を壊すのか――追いつめられる先生たちのリアル』が2024年4月12日に発売された。本書は、朝日新聞で話題を集めた連載「いま先生は」を再編集し、書籍化したものだ。
学校の先生は忙しすぎると言われているが、その大きな理由の一つが「定額働かせ放題」と批判される「給特法」の存在だ。今月、中央教育審議会が見直し案を答申したが、現場からは問題の解決にはならないという声が多数上がっている。また、東京都の新任教諭の4.9%が1年以内に退職するという衝撃的なニュースもある。
本書では、給特法の実態と問題点を詳しく解説している。また、現場の教師への徹底的な取材を通して、先生たちの想像を絶する職場環境を明らかにしている。欠員が出て教頭が担任を受け持つケースや、不妊治療を理由に妊娠時期を指示された教員、部活指導に追われる教員、鬱状態に陥った教員など、現場の深刻な状況が浮き彫りになっている。
激減する教員志望者、過酷な部活指導、定額働かせ放題の実態など、現場の疲弊ぶりが明らかにされている。本書は、なぜ先生たちが忙しすぎるのかその現状と原因、そして解決策を提示している。教育現場の実情を知るための一冊となっている。