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吉匠建築工藝の吉川宗太朗社長らの論文が欧州の国際会議で最優秀発表賞を受賞

東京都八王子市の株式会社吉匠建築工藝で代表取締役社長を務める吉川宗太朗氏が、イタリアのトリノ工科大学(Politecnico di Torino)で開催された国際会議「第6回ヨーロッパ構造工学・建設会議(EURO SEC 6)」にて共同論文2本を発表した。同会議における全136件の発表の中から、木造建造物の保存に関する共同論文が最優秀発表賞(Best Presentation Award)に選出された。同社は3Dスキャン技術を活用した現況保存図面の作成に取り組んでおり、今回の成果は学術の場でも高く評価される形となった。

3D計測技術を活用した木造建造物保存の実践が高評価

最優秀発表賞を受賞した論文「デジタル技術による歴史的木造建造物の保存」(AAE-09、Case Study on Utilizing Digital Technology for the Preservation of Historic Wooden Structures)は、原田敬美氏、上野拓氏、吉川宗太朗氏の共著によるものだ。本論文では、3Dレーザースキャナーを用いて社寺建築を床下から小屋裏まで丸ごと計測し、取得した点群データから図面を起こすまでの実践が報告された。

木造の伝統建築では、長い年月の中で柱の傾きや部材の歪みが生じるため、従来の図面ではそうした状態を描ききることが難しいとされる。同社が特許を取得した測量手法(特許第7674772号「建築物の測量方法」)は、歪みや傾きも含めた現況をデジタルデータとして記録し、将来の修理や災害による被災時の再建に役立つ精緻な資料として遺すことを可能としている。構造を熟知した宮大工自らが計測機器を持って測量を行う取り組みが、国際会議で評価された。

中世の建築原理を受け継ぐ現代寺院を比較した論文も発表

同会議ではもう1本の共同論文として、原田敬美氏と吉川宗太朗氏による「中世のお堂と、その原理を受け継いだ現代の寺院」(AAE-16、Characteristics of Medieval Buddhist Architecture and Contemporary Case Study Based on Medieval Architectural Principles)も発表された。鎌倉時代のお堂と、その建築原理を受け継いで建てられた現代の寺院を比較し、八百年前の建築の考え方が現代の用途や耐震基準に応えながら生き続けていることを示している。

伝統を守る「保存」と、伝統を活かす「新築」という両輪の取り組みを示した2本の論文は、いずれも査読を経てISEC Pressよりオープンアクセスで公開されている。

国際会議EURO SEC 6と共同研究者の陣容

ISEC Societyが主催するEURO SEC 6(The Sixth European Structural Engineering and Construction Conference)は、構造工学と建設分野の最新技術を持ち寄る国際会議だ。第6回は「Cutting-edge Technologies and Management in Structural Engineering and Construction」をテーマに、イタリア・トリノ工科大学を会場として2026年9月7日〜11日の5日間にわたり開催された。発表論文は査読を経てオープンアクセスの論文集に収録され、永続的に公開される。

共同研究者として参加した原田敬美氏は、博士(工学)、技術士(建設)、一級建築士の資格を持ち、東京都港区長を歴任した株式会社エス・イー・シー計画事務所の代表取締役である。また、上野拓氏は宮大工であり、T&I 3D株式会社のCEOを務めている。

伝統建築と先端技術の融合を世界へ継続発信

吉川宗太朗氏はこれまでにも、2025年9月にルーマニアのトランシルヴァニア大学で開催された第17回バルカン地域の建築学会で共同論文を発表したほか、米国Trimble社主催の国際カンファレンス「Trimble Dimensions」に通算3度登壇するなど、情報発信を重ねてきた。

受賞にあたり吉川宗太朗社長は「3Dスキャンによる計測は、図面では描ききれない、歪みも含めた建物の『今の姿』を記録し、未来へ遺すための手段です」とコメントし、今後も伝統の技と最新技術を融合させ、価値ある建築を後世に遺す活動を続けていくとしている。

株式会社吉匠建築工藝は、昭和50年に八王子市で創業し、社寺建築、文化財、祭り屋台、古民家、伝統的工法住宅の設計・施工・修理を手がけている。Nikon Trimble社の最新3Dレーザースキャナーを用いた点群測量を実施し、日本建築の現況保存図面「群拓」を残す活動も展開している。

  • 社名:株式会社 吉匠建築工藝
  • 本社所在地:東京都八王子市川口町3555
  • 代表取締役:吉川宗太朗
  • 事業内容:社寺建築、文化財、祭り屋台、古民家、伝統的工法住宅の設計・施工・修理、3D測量点群測量・モデリング

本記事は株式会社吉匠建築工藝の発表をもとに作成されています。

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