大海赫の代表作ビビを見た!が追悼復刊 10月9日発売へ
東京都荒川区に本社を置くS&Tオフィス合同会社は、2026年1月に逝去した児童文学作家・大海赫の代表作『ビビを見た!』を追悼復刊として刊行する。全国の書店ならびにオンライン書店にて、2026年10月9日(金)より発売される。長らく品切れとなっていた同書に、作家の吉本ばなならによる追悼文や復刊作品リストを加えて新たに届けられる。
児童文学作家・大海赫の代表作『ビビを見た!』
2026年1月20日に94歳で逝去した大海赫(1931―2026)は、1968年に「小学二年生」連載で雑誌デビューし、1973年に理論社から出版された『クロイヌ家具店』で書籍デビューを果たした。「トラウマ童話作家」とも称され、人間の心の奥に潜む恐怖や不安、孤独、残酷さなどを独自の作風で描いてきた。
一時作品発表から遠ざかっていたものの、読者からの要望を受けて2004年に『ビビを見た!』などが復刊されたことで再評価され、2005年には日本児童文芸家協会より児童文学功労賞を受賞した。
本作は、盲目の少年である主人公のホタルが、不思議な声によって「7時間だけ見えるようにしてやろう」と告げられるところから始まる。目が見えるようになったホタルは、周囲の人々が目の見えない状態となった世界で、緑色の少女「ビビ」と出会い、一般的な児童文学のイメージを超えた物語が展開していく。
吉本ばななや舞台関係者ら5名が追悼文を寄稿
今回の追悼復刊版には、本編に加えて大海赫と作品を愛してきた5名による文章が収められている。

作家の吉本ばななは追悼文の冒頭で、「『ビビを見た!』を幼いときに読み、私の人生は変わりました」とコメントを寄せている。吉本による評価は、作品が2000年代に再注目される契機の一つとなったとされ、今回の書籍には現在の追悼文のほか、吉本による「『ビビを見た!』について」も収録される。
また、2019年にKAAT神奈川芸術劇場で上演された舞台版『ビビを見た!』の関係者も追悼文を寄せた。台本・演出を手掛けた松井周のほか、主人公のホタルを演じた岡山天音、ビビを演じた石橋静河がそれぞれ寄稿している。



鮮烈な版画を大判で楽しめる新たな仕様
物語とともに作品を特徴づけているのが、大海赫自身が手がけた版画やイラストレーションである。黒を基調に赤や緑を鮮烈に配したビジュアルや、人物の表情、巨大な目、時計、群衆などがページを彩る。
今回の復刊は、2004年に復刊ドットコムから刊行された版をもとに加筆され、B5判へと大判化された。大海赫のビジュアル世界をより楽しめる仕様になっているという。
発行元であるS&Tオフィスの代表社員・左田野渉は復刊ドットコムの元社長であり、過去に『ビビを見た!』や『クロイヌ家具店』、『ドコカの国にようこそ!』などの復刊に携わった経緯を持つ。今回の出版には、大海赫とその創作を長年支えた妻のアジサイへの追悼の意味も込められているとしている。
書籍情報と発行元の概要
書籍の仕様および発行元の概要は以下の通り。
- 書名:『ビビを見た!』
- 著者:大海赫
- 発行:S&Tオフィス
- 発売日:2026年10月9日(金)
- 判型:B5判・並製
- 頁数:140頁
- 本体価格:2,500円
- 税込価格:2,750円
- ISBN:978-4-911454-06-0
- Cコード:C8093
- 販売:全国書店・オンライン書店ほか
S&Tオフィス合同会社は、左田野渉と元説話社CEOの高木利幸によって2024年に設立され、出版事業やコンテンツに関するコンサルティング事業を展開している。
本記事はS&Tオフィス合同会社の発表をもとに作成。
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