VUILDとAA School、能登半島地震の被災木材を活用したパビリオンを制作
建築系スタートアップのVUILD株式会社は、建築教育機関のArchitectural Association School of Architecture(AA School)と共同で、実践型プログラム「AA Visiting School Japan」を2026年7月27日〜8月7日の12日間にわたり実施しました。世界各国から集まった20名の学生が、伝統的な大工技術とデジタルファブリケーションを学び、能登半島地震の被災家屋からレスキューされた木材を活用したパビリオンを完成させました。






本教育プログラムは「From Vernacular Craft to Digital Fabrication(伝統工芸からデジタルファブリケーションへ)」をテーマに掲げ、構想からデジタル設計、CNC・ロボットアームによる加工、組立までを一貫して行いました。設計と施工を分断せず、学生自身が現場で考え、つくりながら試行錯誤するプロセスを学びの中心に据えています。




参加した学生たちは、アイデアの検討からRhinocerosおよびGrasshopperを用いた3Dによるデジタル設計を実施しました。さらに、CNCやロボットアームによる木材加工に加え、講師を招いて学んだ伝統的な大工技術を応用し、部材の仕上げから組立までを手がけました。
能登半島地震の被災家屋からレスキューされた木材を活用
パビリオンの制作には、一般社団法人のと復耕ラボ(石川県輪島市)と古材create青組(石川県羽咋郡志賀町富来)が、令和6年能登半島地震の発災後から回収・保管してきた被災家屋の部材(レスキュー材)が活用されました。
事前のヒアリングを通じて地域の人々が休憩や交流に利用できるパビリオンの設置が決まった一方、レスキュー材には曲がりや節、不規則な断面、既存のホゾがあり、現代の建築材料としての再利用が難しい課題がありました。プログラムでは部材ごとの違いを均質化せず、形状や個性を活かすことを設計条件としてデジタルデザインが進められました。
12日間で完成したパビリオンと今後の展望
設計から実際の加工・施工までを12日間でやり遂げ、完成したパビリオンは復興支援に携わるボランティアの休憩スペースや、田園風景を眺めながらくつろげる地域の交流拠点としての活用が見込まれています。
2026年5月に自社工場へKUKA製ロボットアームを導入したVUILD株式会社は、今回のプログラムにおいて工場の設備を開放し、学ぶ機会を提供しました。今後も多様な人々との協働を通じ、地域課題や資源を起点とした建築・空間づくりの社会実装を推進するとしています。
- プログラム名:AA Visiting School Japan × VUILD
- 協働教育機関:AA School(Architectural Association School of Architecture)
- テーマ:From Vernacular Craft to Digital Fabrication(ヴァナキュラー・クラフトからデジタル・ファブリケーションへ)
- 開催期間:2026.7.27(月)~2026.8.7(金)(12日間)
- 開催場所:VUILD海老名工場+のと復耕ラボ
- 制作物:パビリオン
- 主な使用技術:デジタル設計、CNC、ロボットアームによる木材加工、手作業による仕上げ・組立
- 主な使用素材:能登半島地震後に残された古材・未利用材
- 共催:Architectural Association School of Architecture(AAスクール)/VUILD/AA Hooke Park/Office Ten Architecture
- 協賛:梓設計
VUILD株式会社の概要
神奈川県厚木市下依知1丁目7-24に本社を置くVUILD株式会社は、代表取締役CEOの秋吉浩気により2017年11月21日に設立されました。資本金は1億円で、建築設計、木製品開発及び製造、CNCルーターの販売、デジタル人材育成、事業開発支援、ITサービス開発などを手がけています。
本記事はVUILD株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



